第10話 デュエットで地上崩壊!?「爆睡破壊ノクターン」
―癒しと呪いの声が、世界を終わらせる―
◆ユニット名:デス・エンジェル(“Death (死)+ Angel(天使)”)
意味:出会った人は美しい声だと錯覚して耳の鼓膜が破壊され死んでしまう。
地上界を騒然とさせたユニット「デス・エンンジェル」が、ついに共演ライブを敢行!
オーヤン・フェーフェー(破壊)×オンチリーナ=スヤリス(眠り)
この最凶音痴タッグによる新曲「爆睡破壊ノクターン」が、
世界中の“耳の限界”を超えてゆく。
ライブは次々と脱落していく観客により、生き残った者こそ真のファンという極限仕様。
そして今、誰もがこう口にする。
「歌が上手い人の時代は、終わった」
「これからの時代は音痴の時代だ。音痴による新世界だ」
◆曲名:爆睡破壊ノクターン(ばくすいはかいのくたーん)◇
歌詞:「爆睡破壊ノクターン」(イントロ:音が鳴っただけで観客2割ダウン)
オンチリーナ:
♪ ね〜む〜れ〜 ねむ〜れ〜 ぐらぁあ゛ああ〜〜♪
(※初手で10人熟睡)
フェーフェー:
♪フゥゥオオオアアアアアアアアアァッ!!!!(訳:静かにして!)♪
(※前列シート消滅)
ふたり:
♪ こ〜ころの〜ふ〜あんを〜 しずめたいのにぃ〜
な〜ぜか瓦礫が〜 とんでくる〜♪
オンチリーナ:
♪ あ〜い〜を〜 こめて〜 このこえで〜
くぅうぅ〜ら〜くぅぅぅ……Zzz(※寝た)♪
フェーフェー:
♪フゥオアアアアアアッ!!(訳:勝手に寝るな!)♪
(※ステージ音響スピーカー3基爆発)
ふたり:
♪ ねむりのな〜かでぇ〜 愛は、こわされてく〜のぉ〜
これがぁ……愛 し〜あわせ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(音程迷子)♪
(※耐音波フィールドが限界突破)
ライブ中の観客の声(生存者数23名/開演時3万人)
「眠れるのにうるさい……!逆に興奮する……ッ!」
「耳から心に直接くる破壊力……これはもはや宗教」
「むしろ心が浄化されていく感覚……あ、建物崩れてる」
マリの実況コメント
「音楽的には完全に終わってる。でも……時代は始まってしまった」
音楽業界に激震
各レコード会社が緊急声明を発表。
「音痴の定義を見直すべき」
「リズムが合わなくても売れる。次のCDは“外し系”でいこう」
「デス・エンンジェルは、人類に新たなジャンル“災厄音楽”を開いた」
「顔がよければ、歌はなんでもいいです。」
「僕が良ければ作詞しようか?枕付きで」太った音楽プロデューサー
デスエンンジェルによる初ライブは大成功を収めた。
マリは借金を返済するめどがたったと大喜び¥金¥マネー¥金。
どんどんお金が音楽事務所の口座へと入金されていった。