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【44万6千PV突破 ! 全話 完結】運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『デスボイスは愛を壊すか 〜歌姫オーヤン・フェーフェー 魔界ラブ&ライブツアー〜』
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第8話 ゾンビ学者の恋とは、静かに、確かに腐っていく

フェーフェーに恋心を抱いた2人の男たちは、次々と告白し、そして爆発四散していった(物理的にも)。だがその中に、ただ一人だけ何も言わなかった者がいた。


彼の名は:ネクロ・ダ・ヴィリス


挿絵(By みてみん)


魔界死都ネクローザ在住。

かつて「死体再利用賞」を三度受賞した伝説のゾンビ学者。

自身の半分以上は既に“保存のきかない部品”で構成されている。


普段は無言。

棺桶型の書斎で、何かをずっと研究していた。


研究テーマ:「歌姫オーヤン・フェーフェーの音響分析」

フェーフェーのデスボイスを聴いた瞬間、

彼は静かに骨の手を震わせた。


「……この超低周波……ゾンビを治癒の特性を持っている……? これは……音で治す“生ける医学”……!いや、“死からの医学”か……!」」


彼は誰にも告げず、フェーフェーの全ライブ映像を視聴し、

音の揺らぎ、振動の深さ、成分波形、破壊後の建物断面まで解析。


毎日、そっと「フェーフェー治癒記録」を付けていた。


【第26日目】

今日も録音再生装置が破壊された。だが、足のむくみが取れた気がする。

私は少し、生き返った。


ある日、フェーフェーの控室に、無言で棺桶が運び込まれる。


中から、ネクロが出てきた。

ボロボロの学帽、骨とミイラ布に包まれた手に、一通の論文を握って。


「……これは、私の研究成果だ。君の歌声は、“生命の振動”そのもの…… だからお願いがある。私の実験体になって、結婚してほしい。」


フェーフェー「フゥオアアア!?(訳:なんでそうなるの!?)」


「いやいやいやいや、何を言ってるんですか!? 結婚が実験の一部!? そもそも何を調べる気ですか!?」マリがわってはいる。


「……“死と共にある愛”の理論を、証明したいのだ。 愛とは、腐っても失われないもの…… だから一緒に死んでみよう」


「死ぬのは断固拒否!!!」


「フゥオアアアアアアアアアアアッ!!!!(訳:私、生きて歌いたいんです!!!!)」


その一声で、学者の棺桶と全研究機材が木っ端微塵。


ネクロ「……やはり、素晴らしい破壊音波……(砕ける骨音)」


その後、ネクロは…爆風で吹き飛んだネクロの頭部は、しばらく空中をさまよい、静かにフェーフェーにこう言った。


「……ならば、君の歌声を浴びるだけで、私は十分だ…… これが、愛の“不完全燃焼”というやつか……(パキィン)」


フェーフェー「フゥ……フゥオ……(訳:どこからツッコめばいいの……)」


「とりあえず、“実験婚”と“死ぬまで一緒”って言ってくる男は、全員リストから除外ね」


ゾンビ学者ネクロはフェーフェーを実験体としてしか見ていなかった。


「フゥオア(訳:つまり全員アウトでは!?)」


フェーフェーに求婚した3人の男性は、フェーフェーの(デスボイス)に恋していたのだ。

なんだそれ?!



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