第4話 恋と破壊とプレミアライブ
公開プロポーズ騒動の裏で、マネージャー・マリは3人の“貢ぎ男”の身辺調査を開始。
「愛より収支」と冷静に弁済優先の判断を下す中、ツアーは次の地へ
そこは、音によって地盤が揺れる魔界屈指の危険ゾーンだった。
地響きの谷“揺れる町”
この山岳地帯の谷では人の声や音楽が地面に共鳴し、余震のように揺れるため、
あらゆる演奏行為が禁止されていた。
だが今
「フゥオアアアアアアアアッ!!!(訳:プレミアライブ、開幕ーー!!)」
叫んだだけで谷が“ゴゴゴゴッ!”と鳴動。崖が一段沈んだ。
観客「揺れたー!!最高!!!」
住民「帰れー!!!」
マリ「地盤崩壊リスク上昇中。命の危険あり。オワッター。」
マリの緊急対応中、彼が現れた。
ドシュウウウッ!
地面が割れたかと思うと、黒いオーバーコートを翻して、
銀髪の青年が崖の上から舞い降りてきた。
「現場責任者、地震調整官・クラック=ラインハルトだ。この谷の“振動監査”は私の管轄だ。立ち入りは許可していないはずだが?」
クラック=ラインハルト
肩書:地震局特務・地盤音響調律官/別名“沈黙の音律師”
特徴:地脈の揺れを“音で封じる”魔界屈指の精鋭エリート。眼鏡。背が高い。無口。
趣味:地図の修正/悩み:笑われたくない音痴
「この会場は許可済みです。自治体印もありますし、補償契約も私が通しています……!」
マリは、そう言って差し出した書類を、彼は黙って見ると、
すっと右手の指で修正を加えた。
「自治体コードがひとつ古い。ここは再編された新地番だ。この契約書は効力を持たない。」
その瞬間、
マリの頭の中でドクンと警報が鳴った。
(論破された……!? この私が……!?間違いを……指摘された……!?……か、顔が、熱い!??)
オーヤン・フェーフェー、大興奮
「フゥア!?フゥフゥアアアアア!?!?(訳:なにその展開!?マリ!?マリが赤くなってる!?お前が先に行くんかいーーー!?)」
♪ マリが恋した〜 地震調律師〜
顔が好み〜 静かにドS〜
IQ300〜 でも恋には無防備〜 ♪
\ゴゴゴゴゴ……/(歌に合わせて町が揺れる)
クラックの反応(無表情)
「……君のマネージャーは、計算に強いが、声に弱いようだな」
「なっ……!?」
「フゥオアア(訳:それは当たってる)」
(この人……何なの……書類も正確、声も静か、冷静で理路整然…………でも、私、あんな風に“正しく怒られる”の初めて……あれ?恋……なの?)
一方、地面は崩れる
ドゴオオオォォン!!!
フェーフェーの即興ラブソングの第3節で、ついに観客席がひとつ地割れに飲まれた。
観客「ウオオオ!最高!命が震える!」
「冷静に言います。今すぐ避難しろ。」
「……コンサートの再開は、私と交渉してからにしろ」
ラインハルトが怒っている。
恋に揺れるマネージャー・マリ。
フェーフェーは全力でニヤニヤしながら応援モードに突入するのだっだ。