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【45万2千PV突破 ! 全話 完結】運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『デスボイスは愛を壊すか 〜歌姫オーヤン・フェーフェー 魔界ラブ&ライブツアー〜』
279/1102

第1話 ライブは瓦礫の中から

挿絵(By みてみん)

【登場人物】


オーヤン・フェーフェー

挿絵(By みてみん)

肩書:ゼロ部隊 広報兼・歌姫/人間・魔界最凶のデスボイスの持ち主

特徴:歌うだけで建造物が崩れる。だが本人は音痴である。

セリフ:「フゥオアアアアアアッ!!!!(訳:こんにちは!)」


かつて魔王城を一声で崩壊させた伝説の歌姫。

音痴ではあるが、その歌には治癒・破壊・混乱の三拍子が揃っている。

ツアーを通じて「本当の音楽」を探している。



マリ・キュウリ

挿絵(By みてみん)

肩書:IQ300の超絶マネージャー

特徴:スケジュールも補強材もすべて数式で管理。書類片手に敵を沈黙させる。

セリフ:「弁済……?また金貨、億単位ですね。……人生オワッター」


全てを「計算」で処理する冷静沈着な才女。

破壊された建物の修繕費とツアースケジュールの両立に悩む日々。

フェーフェーの破壊力に最も近い被害者でもある。


======================================


魔界北部・浮遊都市〈ネビュルノ・スカイアーク〉

空に浮かぶ巨大な魔法都市。雲を突き抜ける塔の上――

そこが、本日のライブ会場だった。


「フゥオアアアアアアッ!!!!(訳:こんにちはーーーッッッ!!)」


その瞬間だった。


バチィンッ!!と音響スピーカーが火花を散らし、

メインステージの支柱がごうん、と傾き、

観客席の一部が崩落したにもかかわらず、

観客たちは叫んでいた。


「最高ーーーーッ!!」

「肩こりが抜けた!」

「腰が軽い!オレ、いま浮いてる!!」


フェーフェーが1曲歌うごとに、建物は1割ずつ崩れ、

音響スタッフは顔面蒼白で逃げ出した。


しかし、観客たちは叫びながら拍手を送り、地震計は記録を刻み続ける。


一方、舞台袖では


「……オワッター……補強材が200万ルンツ、瓦礫撤去で300万、演出機材破損で……億ですね……億単位……」


頭を抱えるのはマネージャー・マリ・キュウリ。

100枚のスケジュール表を空中で展開し、ひとつずつ自動で計算中。


「……仮に今後全会場で同じ破壊をした場合、破産まであと6会場……オワッター(確定)」


そのとき


バララララッ……!


ライブ後のアンコールも終わり、静まった舞台に、

ドシャアッ!と花束と一緒に3人の男たちが飛び込んできた。


「俺と結婚してくれええええええええ!!!!」

まず叫んだのは、火山のように燃える男、火山王子・カエン=バルカン。

全身が炎に包まれ、ステージの残りをさらに燃やす。


「君の歌は、火山の噴火と同じだ!俺の心を燃やした!

 毎日一緒に火口の前で歌ってほしいッ!」


「我が冥界楽隊とデュエットを!いや、いっそ婚約して音楽軍を創ろう!」


次に名乗り出たのは、鎧のような音響装備を纏う男、重低音魔将軍・ラムド=ハンマークロウ

その声もまた地を揺らすが、フェーフェーの一節には完敗。


「君の声と我が重低音が交差したとき、音響の神が微笑んだ……ッ!」


「……うん、君の歌声には…面白い周波成分がある。 細胞修復、骨格調整、脳波安定……そして恋愛ホルモン分泌にも効果がある……たぶん。だから、その、交際してみないか?」


3人目は無表情で静かに近づいてきたゾンビ学者・ネクロ・ダ・ヴィリス

手には分厚い論文草稿、背中には測定機材。


観客「キャーーーーーーッッ!!」

魔界ネットニュース記者「今世紀最大の告白ラッシュ!歌姫、誰を選ぶ!?」


フェーフェー「フゥ、フゥオオ……フゥオアアアアアアアアアアアアッ!!!!(訳:結婚すれば弁済できるかもおおおおお!?)」


彼女のライブ後には建物が半壊し、地震計が反応し、観客の腰痛が治る。

音痴であることを自覚しているが、それでも「歌いたい」という想いだけで魔界全国ライブツアーを続けている。恋愛には疎く、情熱的なアプローチに弱い。ファン第一号は地震計。


この恋愛は成就できるのか?




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