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【44万6千PV突破 ! 全話 完結】運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『眠り姫ベルモットの寝ながら子育て?できるわけがない、さっちゃんとバクちゃんの育児奮闘記』
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第8話 育児フェスティバルで地獄遊覧でも熱中症対策は万全よ

ここは魔界中央育成公園、年に一度の特大イベント

「魔界・育児フェスティバル」が開催されていた!


会場は地獄火の大鍋で作られたベビーフード屋台、

角つきベビーカー専用駐輪場、授乳ルームには魔女助産師が常駐。

まさに、魔界ママたちの社交の場!


だがその会場を、カートでゴロゴロと押して歩く奇妙なチームがいた。

 


「ちょっと、あの2人……全然起きてないわよ……?」


「いや、アレが“噂の寝てる育児王族”らしいぞ……!」


カートの上で爆睡中の2名:

・ベルモット・ネクロデス(魔王の妹・母親)

・ダイ・マオウくん(超能力ベビー)


カートを押して汗だくなのが:

・さっちゃん(乳母?否定してるが事実上の育児担当)

・バクちゃん(夢魔。ハンドタイプ扇風機・保冷タオル担当)


バクちゃんが首に巻いた冷却魔布をしぼりながらぼやく。


「……これ、ただの寝てる二人を運ぶ耐久イベントじゃない……?」


さっちゃんも額から汗を拭きながら同意した。


「“熱中症対策は万全”って言ったけどさ、あたしらのこと誰も守ってないのよね……」


【10:30〜11:30】

■親子で踊って、楽しく足育!


先生「それではみなさん、魔界ステップからいきましょう~! 右、左、ツノ回して~♪」


周りのママさんとキッズがキャッキャと踊る中

カートの中ではベルモットとマオウくんが同時に寝返り。


先生「す、すごい!連携が……!これが“親子シンクロ睡眠”!!」


さっちゃん(踊らずじっとカートを押す)

「……寝ながら注目浴びるって何よ」


【12:00〜13:00】

■夫婦で話そう 妊娠中のマイナートラブル座談会


司会「本日は“パートナーへの感謝”と“妊娠中の支え”について語っていただきます!」


参加者が感動的な話を語るなか

ベルモット「……プリン……抱き枕……して……」

マオウくん《オムツは、心のセキュリティ……》


さっちゃん(深いため息)

「……てか、このふたり夫婦扱いされてるんですけど!?」


後ろのママ悪魔たちがヒソヒソ。


「まぁ……寝てるけど、似てるし……」

「寝てるからこそ“深い絆”を感じるのかも……」

さっちゃん「わけがわからないわよ!!!!」



【13:30〜14:30】

■股関節を動かそう! 今日からできる腰痛予防エクササイズ


インストラクター「さあ、膝を開いて深呼吸!無理のない範囲でツノを回して~!」


バクちゃん、さっちゃん、めっちゃがんばる。

ベルモット、マオウくん、カートごと日陰で昼寝中。


ママ参加者「……あの人たち、逆に正解なのでは……?」

パパ参加者「疲れてる時は寝る。育児も人生も、それが基本か……!」


バクちゃん「……いや待て、だんだん寝てる方が褒められ始めてないか?」


さっちゃん「そのうち“寝育て”とか言い出すんじゃないでしょうね」


【14:45】

全日程終了。


表彰式にて


司会「特別賞! “眠ってるのに存在感がすごいで賞は……ベルモット・ネクロデス様に!」


会場:(拍手喝采)


ベルモット「……zzz……うん……やっぱり子育ては……寝ながら……(スースー)」


マオウくん《うちのママ、寝てるのに賞取った……世界一だ……》


バクちゃん「これはもう“寝て育てる”っていうジャンルが爆誕した瞬間だな……」


さっちゃん「それでも、あたしは絶対にママじゃないからな!!」


そしてその夜。

さっちゃんは肩に湿布を貼り、ぐったりしながらこう呟いた。


「歩き疲れすぎた……あたしらが寝た方がよっぽど賞にふさわしかったわよ……」

ベルモットはその横で、スヤスヤと満足げに笑っていた。



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