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第二話 必殺の仕事人

ブリッテッシュ王国・ウィンザー城へ向かう草原

さわやかな風が吹き抜ける中、俺たちは静かに歩を進めていた。


すると、前を歩くシスターマリアが突然、険しい声を上げる。


「前方からモンスターです!」


俺たちの目の前に現れたのは

黒い帽子をかぶったマジックラビットと、激しく踊りながら刃を振り回すヴァイオレンスダンサー!


挿絵(By みてみん)


名前 マジックラビット

体力 : 230

攻撃 : 83

防御 : 40

素早さ:120


この世界でウサギと人が合わさったモンスター 黒魔術の魔法を操る。


挿絵(By みてみん)


名前 ヴァイオレンスダンサー

体力 :360

攻撃 : 210

防御 : 85

素早さ:220


この世界で刃物を振り回すモンスター 踊りながら相手を切り刻む。



「新しいモンスターだな。こいつは……厄介だな」

アルベルトが剣を構える。


そのとき、俺はすっと草むらの影へ身を潜めた。


スキル【空気のような存在】発動させた。(※ボス戦では無効)だが、今はザコ戦。俺の出番だ。


「まったく気づいてねえな……ふふ、よしよし」


このスキル、商人向けの探索用ってバカにされがちだけど

戦闘に応用すれば、“誰にも気づかれない刺客”になれる。


ヴァイオレンスダンサーが勇者アルベルトに襲いかかろうとした、


まさにその瞬間――


「チクッ……」


背後から、俺は細長い毒針をそっと突き刺す。


「グ、ガ……?」


「チクチクッ!」


二発、三発と連続して刺す。

毒がまわり、ヴァイオレンスダンサーの動きがピタリと止まり


バシュン!


光の粒になって、静かに消滅した。


「……な、なんじゃこりゃああああ!!」

俺の存在に気づかないアルベルトが振り返って叫ぶ。


「お、俺じゃないぞ!? 触ってすらいないのに!」


その叫びを背に、俺はまた影に隠れる。


次はマジックラビットと対峙するシスターマリア。


「聖なる光よ……えっ、うそ!?」


「チクチクッ!」


俺の毒針がラビットの足元から刺さる。


「チクチクチクッ!」


ふわっと跳ねたマジックラビットの体がピクリと動きを止め


ポン!

やがて白煙と共に、消滅していった。


「えっ……な、なんで!? わたし、まだ何もしてないのに……」


木の上からその光景を見下ろすマーリンが、つぶやく。


「ふふふ……村人。完全にアサシンにクラスチェンジしたわね」


魅惑の黒魔術 マーリン ボスレベル級の魔物には【空気のような存在】は無効である。


俺はそっと草原の草むらからスッと姿を現した。


「怖ッ!気づかれないどころか、仕事人の域に入ってるわよ……本当に空気のような存在ね。」

マーリンが肩をすくめる。


そのとき、俺のステータス画面がピコンと音を立てた。


【称号獲得】

「必殺の仕事人」敵に気づかれず、毒針で三体以上を連続撃破した者に贈られる隠密の証。


「……なんだこれ。強そう……!」


リスクは二つ名 必殺の仕事人 リスクの称号を得た。


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