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【45万2千PV突破 ! 全話 完結】運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『竜騎士のミッシェル姫と雪国の剣士お雪の天罰 成敗!時々 くノ一楓(かえで)』
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第1話 ゼロ部隊の特殊急襲部隊 〈混ぜるな危険、デンジャラスコンビ〉

挿絵(By みてみん)

鉱山都市メルグリム。

噴煙と石炭の香りが絶えず漂うこの町に、ある噂が流れていた。


「最近、夜になると金目の物がごっそり盗まれるんだってさ」


「しかも犯人は“空から”現れるんだとか……」


「龍の仕業か? いや、空挺の盗賊団じゃねえのか……?」


そんな話が広がる中その“空”から本当に何かが降ってきた。


ドオオォォン!!!


轟音と共に着地したのは、赤のドレスに銀の鎧、王冠をかぶったひとりの女性。


堂々と、まっすぐに通りの真ん中を歩く。


「ごきげんよう、庶民の皆様! わたくし、竜騎士国の王女、ミッシェル=ガンエレファント! この町に蔓延る悪を、天罰でもって裁いてさしあげますわ!」


片手には、禍々しい意匠の王杖。

その笑顔は貴族全開、高慢さ全開。


だがその5秒後、背後の屋根に軽やかに着地した影があった。


紺の着物をまとい、鋭い目つきの黒髪の女が、通行人をよけながら静かに歩み寄る。


「……うるさい。悪は斬る。ただ、それだけだ。成敗、終了」


彼女の名は、お雪。

雪国の剣士であり、正義に生きる寡黙な女。


「はっ!? あなた、わたくしより先に裁こうとしましたわね!? “天罰”こそが正義の極みですわよ!?」


「……うるさい女だ。成敗は終わった」


「終わってませんわ!!」


挿絵(By みてみん)

 

ガミガミ/ピシリと火花を散らす2人。

その様子を、屋根の上で肘をついて見ていたのが、忍びのかえでだった。


「初対面でここまでケンカするって……なにこのコンビ、クセが強すぎ……」


そのときだった。


横合いから、ずっと様子を見ていたフードの大男が苛立ちをあらわに立ち上がる。


「おいィ……おいおいおい……」


ミッシェルとお雪が同時にピタリと動きを止める。


「テメェら、何ずっと喧嘩してやがんだ。こっちは盗みに来てんだよ! 気づけやゴラァァ!!」


「……あら?」


「……存在感、なかった」


「誰だテメェらあああああ!!」


大男の怒号と共に、空中から他の盗賊たちが次々と現れる。

正体は空中から降下してくるグライダー装備の盗賊団、“空賊ラットマン”。


「やっと悪党が出てきましたわね! では、」


「成敗」


「ちょっ、だから“天罰”って言ってくださいましよッ!」


「天罰、意味不明。斬るだけ」


盗賊団が突っ込んできたその瞬間、

ミッシェルは龍槍を華麗に振り回し、

お雪は静かに日本刀を一閃


まるで打ち合わせしたかのように、二人の動きがシンクロする。


「な、なにィ!? さっきまでケンカしてたくせに動きが完璧じゃねぇかッ!」


「おほほほほ! わたくし、こう見えて連携もお得意ですの!」


「……お前が合わせたんじゃない。私が合わせた」


「いやどっちでもいいけど、敵まだ残ってるからねー!!」


女忍者の楓が屋根の上から手投げ爆弾をばら撒きつつ、爆薬を設置していた。


挿絵(By みてみん)


ドカァン!!


爆発と共に、残った空賊たちは空高く吹き飛ばされた。




地面に降り立ち、ミッシェルは髪を整えながら鼻を鳴らす。


「ふぅ……これでまた、民草の平和が守られましたわ」


お雪は日本刀を鞘に収めながら、ぼそり。


「……無駄にうるさいだけの女だと思ったけど。意外とやる」


楓が肩をすくめた。


「ホントにね……喧嘩ばっかでバランス最悪。でも、敵に回したくないタイプってやつ。こりゃあ、もうトリオ結成しかないっしょ♪」


こうして、ミッシェル・お雪・楓。

正義も主義もバラバラだけど、やたら強い“クセの強いデンジャラストリオの3人組”が誕生した!



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