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【45万2千PV突破 ! 全話 完結】運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『メイドが冥土の土産よ狙撃30(サーティー)/D.M.(ダリ・メンドウ)』
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第1話 『マジだりぃ~……でも当てるわよ?』

挿絵(By みてみん)

夜、ポルタカノスの廃ビル屋上。

冷たい雨。風。サイレンの残響。

そこで一人、メイド帽を被った女が寝っ転がっていた。


ライフルを枕に、もそもそと毛布にくるまりながら。


「……ん゛ぁ……」

「雨かよ……くそダリィ……なんで屋上任務なんだよ……」

「てか、こんな日に来るか? ターゲット……家で鍋でも食ってろよ……」


愚痴は止まらない。


インカム《ダリ、起きろ。ターゲットが来た。お前の担当区域に入った》


「…………はァ!? マジ来たの!?

いやちょっと待って、マジで心の準備ってあるじゃん!?

雨だし、今日チョコ食ってないし、なんか肩こってるし、あと足つってるし!」


《起きろ。あと45秒》


「っっっダリィ〜〜〜〜〜〜〜〜……!!」


それでも彼女はライフルを構えた。

“イーター03”、最新式の反応型スナイパーライフル。

まるで体の一部のようにしっくりくる。イヤだけど。


「……あーもう……あたしにしかできないんでしょどうせ。知ってんのよそういうの。

だからやるけどさ……やるけどさ! ダリィんだよ、ほんと!!」


スコープにてターゲット補足。ウロ・ガリーニ。

車から降り、左右を確認し、屋敷の階段を一段登る。


そのときダリの目が獣のように光った。


「……30秒だけマジになるから、アンタ今のうちに祈っときな……“白き死の女神に狙われたこと、後悔するがいい……」


引き金に、

ダリの右手がイヤそうに触れる。


「チッ……マジでダリィ……」


パン!!


スコープ越しの世界で、赤い点がひとつ、

ぽとりと消えた。


「はい、終了〜。当たった〜。おつかれ〜。あたしすごい〜。……って、誰も褒めないし!クソダリィな!」


挿絵(By みてみん)


屋上に寝そべり、缶コーヒーをちゅうっと吸う。


「つーか、帰ってチョコ食いたい。あと風呂……あー……世界救ってるのに全然テンション上がんね……」


《命中確認。任務完了だ、ダリ》


「はいはい。“伝説の30秒スナイパー”、ただいまダリィに爆誕だよっと」


背後に朝日が差す。


ぐう、とダリの腹が鳴った。


「……チョコ、買って帰るか……マジでダリィけど……」


「圧倒的な才能」 ×「めんどくさがり屋」全開のゼロ部隊の特殊部隊のダリ・メンドウが、ぶっきらぼうに、それでいて伝説級の腕で渋々”狙撃任務”を開始します。


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