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【45万2千PV突破 ! 全話 完結】運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
お母さん狼女 ナターシャの食いしん坊 ドス恋(この味にド・ストライク 恋しました!
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おまけ01 狼女スパイになる。

私の名前はナターシャ・アルベルト。


挿絵(By みてみん)


元・戦闘狂の狼女、今は二児の母。

勇者アルベルト(ハーレム生活中 他10人と結婚)と結婚し、双子の子狼「ナツ」と「フユ」を育てながら、ゼロ部隊の偵察任務に復帰しました。


偵察先では、敵地に潜入して情報を集め、時には命がけで報告書をまとめ、

夜には……うふふ、世界のグルメをこっそり楽しんでいます。


そう、これは私“お母さん”ナターシャが、

家族を守るため、世界を味わい尽くすために戦う物語。


胃袋と愛と情報戦、全部、私がいただくき ガルルルッ!!


さぁ今日も早朝から任務開始!


夜明け前、まだ薄暗い山間の街道を、フードを深くかぶった一人の女が駆け抜けていた。狼のようにしなやかな足取り。そう彼女こそ、ゼロ部隊偵察分隊所属の狼女ナターシャ。


そして今、彼女の任務は


「観光……じゃない、偵察よ、これは偵察なのよ……!」


背後から追ってくるのは敵兵でも魔物でもなく、ふわふわと香る味噌の匂い。


「くっ、屋台村の焼き魚定食……あれは犯罪的な香りだったわ……」


任務地は南方王国カメリア。最近、隣国との軍事演習が活発化しており、ゼロ部隊は不穏な動きを察知してナターシャを派遣した。

公式には「旅芸人の剣舞師」として潜入している。


屋台村へカメリア城下最大のグルメ地帯。香ばしく焦げた味噌と魚の脂が溶け合い、炊きたてご飯の湯気が立ち上る。


「ちょ、ちょっとだけ……情報収集ってことで……!」


ナターシャは理性と本能の激しい戦いに敗北した。焼き味噌サバ定食(香草だれ付き)を注文し、席についた瞬間──


「はぁぁああああッッ!! うっっまいッッッ!!」


あまりの旨さに、耳がぴょこんと立ち、尻尾がぶんぶん振れてしまった。

周囲の客が一瞬、目を丸くしたのをナターシャは見逃さなかった。


「(しまったッッ……狼女だってバレた!?)」


が、店主は笑って言った。


「お嬢さん、旅の獣人さんかい? ようこそカメリアへ。よかったら、おかわりどうだい?」


……どうやらこの国では、獣人も比較的よく訪れているらしい。ホッとしたのもつかの間、彼女はご飯を4杯、焼き魚を3尾平らげた。ごちそうさまでした。この味にドス恋!(意味 この味はド・ ストライク 恋しました。)



夜、彼女は宿に戻り、魔導式暗号通信を開いた。


「こちら、ナターシャ。軍の動きは通常。王国軍は今週、祭事警備に回されており、戦備の兆候は薄いわ」


《通信:了解。次の潜入先まで2日間自由行動とする。観光で体調崩すなよ》


「……くっ」


通信が切れたあと、彼女はベッドに倒れこんだ。


「スカート……入らない……」

「ベルト……前の穴に戻らない……」

「な、なんでたった1日で……!」


ナターシャは頭を抱えた。子どもたちに「お母さん、またムチムチになったね」と言われる未来が見える。


「いいのよ……これは任務。味を調べるための、身体を張った任務だったのよ……!」


言い訳しながら、そっと冷蔵庫を開けた。残りの「味噌だれサバ」が光っていた。


「……明日から……明日から本気出す……!」


ナターシャは草のベットの上でで、自分より大きな巨大なご飯をお腹いっぱいに食べる夢をみた。


「……Zzz……もう。たべられましぇん……Zzz……」



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