第一話 地獄で温泉合宿
舞台は魔界・湯けむりの地獄なのに楽園「地獄の湯」鬼灯館。
勇者アルベルトが5人の肉体派メンバーを引き連れて門を叩いた瞬間、ボロボロのスリッパを履いた支配人の魔人がドアをバァン!と開け、涙を浮かべて叫んだ。
「また来やがってくれたんですねぇぇぇ!! 勇者様ァ!!」
「……あれ? なんか泣いてません?」
「泣いてますよッ! あなたみたいな人が来たらロビーが爆発するし風呂が吹き飛ぶんですよッ!! 建前で“また来てくださいね”って言いましたけど、あれ実は嘘なんですよ!?!」
「そう言わずに泊めてくださいよ。ちゃんとお金、払いますから。」
「えぇ~~お金を払うから泊めさせろと、さも当然のように……。払わなかったら……旅館ごとぶっ壊すつもりだったんでしょう!?」
「まあ、そうですね。」
「わかりましたァアア! 泊まりやがれこの野郎がァ!!」
(歓迎された。たぶん)
鬼灯館チェックイン!
こうして、ミッシェル(竜騎士)、お雪(剣士)、ダリ・メンドウ(サボり傭兵メイド)、ナターシャ(食いしん坊な狼女)、楓(セクシーくノ一)ら肉体派5人は、地獄の湯・鬼灯館での合宿を開始した。
地獄山 肉体強化スケジュール
地獄の100本ノック(溶岩球バージョン)
→ 球速300km/h、たまに火を噴く。ナターシャが「ガルルルッ!」と返球して砕け散った。
地獄の坂ダッシュマラソン in 焼けた石畳(足袋禁止)
→ お雪「……痛みは訓練。耐えろ」
→ ダリ「えぇ……無理、足の裏無理……(ゴロン)」
地獄の熱波サウナ&地獄の零度の滝行(温度差100度)
→ ミッシェル「おほほほ!サウナの中でも優雅に耐えられますわ!(メイク全溶け)」
→ 楓「風の術、凍らせてスキンケアに応用……うふふ」
夜は伝説の混浴風呂「煉獄の泉」
トレーニングの疲れを癒すため、みんなで混浴へ。
「勇者ぁ、背中流してあげましょうかぁ?」
「わたしが先に洗うからどいて」
「うち、温泉で汗かいた後の冷水風呂が一番好きなんや~!」
わきあいあいとした時間。勇者の顔は真っ赤。
ナターシャの狼耳は湯気でポワポワ、ダリは桶を抱えながら眠そうにぼーっとしている。
お雪はひとこと。
「……鼻血、出すな」
最後はみんなで仲良く背中を流しあう。
背中を流し、肩を叩き、たわいない会話と湯けむりが流れる。
アルベルト「なんだかんだで……仲良くなったな、俺たち」
全員「……ん、まあね(照)」
こうして、5人と勇者アルベルトの連携力は150%アップした。
筋肉痛とともに、絆も深まったのだった。
次は星の塔で文化祭だ!