第21話 クイズバトル
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名前:バルドル(戦士)
レベル:50
体力:1800
攻撃:683
防御:329
素早さ:127
魔力:10
賢さ:9
運:135
この世界で話が長すぎて人間に嫌われたため魔王軍に鞍替えした反逆の戦士。
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「ゼロの能力者であるシスター……貴様を、ここで殺す」
反逆の戦士バルドルが斧を片手にシスターマリアに襲いかかってきた!!
勇者アルベルトはバルドルの盾攻撃により山道の斜面を転がっており、俺達には前線で盾となって戦えるものがいない。よって、できることといえば逃げるだけだ。
「逃げてシスターマリア!」
俺は叫ぶ。俺は素早さ0で逃げることもできない。
シスターマリアは全力で走って、来た道を逃げた。
「村人、そこをどかないのか?」
俺は、木の剣をバルドルへ構える。攻撃力5の木の剣だ。
「マーリン、何か攻撃魔法!を頼む!」
俺が隣のマーリンに支持をだすとマーリンは姿を消した。
「はい!また消えました!」
「なんだそれは、面白い手品か?」
脳みそが筋肉でできているバカなバルトルが話しかけてきた。お前には、関係あるのか?手品じゃねえよバックれたの!
シスターマリアが走って逃げている。足は早くない。
もしかして話しをそらせば時間を稼げるかもしれない。俺はそう考えた。
「クイズバトルしませんか?」
俺はダメもとでバルトルへクイズバトルの提案をする。
「……は?」
「クイズだ!お前、戦って勝つのは簡単だろ?でも、知恵比べではどうかなぁ~?」
「あっ村人!お前、シスターの逃げる時間を稼ごうとしてるな!」
バレた。小学生なみの脳みそ、でも考えればわかる。
ヒョイッ
俺はバルトルに大きな腕で軽くどかされた。
バルドルは走ってシスターマリアを後ろを追いかけて行った。
俺も後ろからバルドルを追いかける。クイズの問題を出しながら。
「第一問!!パンはパンでも食べられないパンはなーんだ!!!」
「答えはぁぁあああ!!"焦げすぎた黒こげパン"!!毒レベルッ!!」
「ブッブー!不正解!答えはフライパン!!」
「第二問ッ!!毎日増えるのに、重さは変わらないものってなーんだ!!」
「それはオレの筋肉だ……筋肉は鍛えれば増える、そうだろ!」
「筋肉は重くなるだろ!!答えは日記!!」
「第三問ッッ!!生きてるけど、動かない。喋らない。でも空気をきれいにする生き物はなんだー!!」
「そ、そんなやついるかァァ!?動かねぇ生き物なんてッ!!」
「……木だよ!!木!!」
「木ィィィ!?……あああああああああああああ!!悔しいイイイイイ!!」
そのころシスターマリアは山頂の頂きの崖の草むらに隠れていた。
叫びながらバルドルが山道の山頂を登りきったその瞬間
「村人、俺は頭を使いすぎて頭が疲れた。なんかすごく頭痛いから今日は寝て休むわ」
と言い出した。
マジか反逆の戦士バルトル。お前そんな理由で大事な任務あきらめちゃうのか。
頭を使いすぎてお熱がでたのだ。
知恵熱でちゅかね?
賢さ9という、悲しい、おバカな戦士。
それがバルドルだった。
反逆のバルドルに俺はクイズバトルで勝利した。