第11話 深海基地アルゴス ― 制御区画 宿命の闘い③
Dr.ノア vs ジャスパー(頭脳戦)
巨大ドローンのコクピットで、Dr.ノアが歪んだ笑みを浮かべる。
「この演算能力、この火力! 貴様らの頭脳戦など、秒で潰される!」
ドローンのアームが壁を貫き、爆炎が迸る。
しかし、ジャスパーは動じない。携行端末を片手に冷静な声を放つ。
「君のプログラムは確かに天才的だ、ノア。だが、君は“人間の不確定性”を見落としている。」
指がキーボードを叩くたび、ドローンのモニターに“警告”が連続表示される。
Dr.ノアの目が見開かれる。
「なに……!? 私の制御系が――」
「バックドアは最初から存在していたんだよ。君自身が慢心で見落とした穴だ。」
端末に最後のコードを打ち込む。
カチリ。
次の瞬間、ドローンの動きが完全に停止した。
Dr.ノアが顔を歪め、怒声を上げる。
「馬鹿な! 私が……私が造った世界を支配する機械がぁ!」
ジャスパーは冷ややかな眼差しで答える。
「君は知性を“道具”にした。俺はそれを“自由”のために使う。違いは、それだけだ。」
セリーヌ vs アリシア(一騎打ち)
別の格納区画。
紅い警告灯が点滅する中、二人の女性の刃が火花を散らす。
アリシアは軽やかな双刃を操り、鋭い連撃でセリーヌを追い詰める。
「あなたには理解できないわ。私たちが背負った“血の運命”を!」
セリーヌは受け流しながら反撃する。
「運命なんて関係ない! 私たちは自分の意思で選べるはずよ!」
アリシアの双刃が床をえぐり、破片が飛ぶ。
セリーヌは跳び退きざま、足場の崩落を逆利用し、宙返りしてアリシアの背後を取る。
「これで終わり!」
渾身の一閃。
アリシアの双刃が弾かれ、宙に舞う。
彼女は壁に叩きつけられ、荒い息を吐きながらもなおセリーヌを睨む。
「……甘い……私はまだ……」
セリーヌは刃を構え、震える声で言う。
「もうやめて、アリシア。あなたを殺したくない!」
その声は戦いの轟音を越え、かすかな人間の情を滲ませていた。




