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【127万PV突破】 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『魔王と勇者の継承者(デュアル・ヘリテイジ)ダイ・マオウの大冒険』

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1759/1921

第2話 地下潜入戦

ロシア・極北の町、雪に閉ざされた廃工場の地下。

外見は朽ちた倉庫にしか見えないが、内部には秘密警察隊の研究施設が隠されているという情報が、MI6とウクライナ側の協力ルートを通じてもたらされていた。


氷柱の垂れ下がる暗がりに、アイゼンハワードの赤い瞳がかすかに光る。

隣を歩くのはセリーヌ。銃を握りしめる彼女の呼吸は冷気で白く染まる。背後ではジャスパーが携帯端末を操作しながら、小声で囁いた。


「赤外線センサーが三基。……ええと、あー、クソ、これはソ連時代からある“マトリョーシカ式”監視システムだな。解除に十秒欲しい」


「十秒もあれば十分だ」

アイゼンは口角を上げ、優雅にマントを翻した。


その瞬間、金属の音が響き、床下から機械式の罠がせり上がる。鋼のスパイクが通路を塞ぎ、監視カメラのレンズが一斉に光った。


「ッ、見つかったか!」セリーヌが叫ぶ。


迷宮のような通路を抜け、冷気の中を駆け抜けるアイゼンたち。

壁には無数の監視カメラ、足元には感圧式の罠が仕込まれていた。


カテリーナが前に出て、床に小型のデバイスを滑らせる。

「停止。三秒。」

カチリと音がして、光のパターンが床を走る。感圧スイッチの位置が赤い線となって浮かび上がった。


「よし、通れる。」

セリーヌは息を飲み、緑の瞳で先を見据える。


やがて、厚い鉄扉にたどり着いた。

中央には赤い狼のエンブレム

新興組織「レッドウルフ」の紋章が刻まれていた。


「やはり奴らの仕業か。」

アイゼンの声は低く沈む。


ジャスパーが端末を差し込み、指を踊らせる。

「……よし、開いたぞ。」


扉が重く開くと、部屋の奥には分厚い金属ケースが鎮座していた。周囲には紙とフィルムが山積みされ、古いロシア語で「兵器実験計画」「超常能力者監視」と書かれている。


カテリーナが素早くファイルをめくり、青ざめた表情を見せた。

「これ……まさか。旧ソ連の核の残滓を利用した新兵器計画よ。」


セリーヌが震える声で問いかける。

「じゃあ、この施設はただの監視拠点じゃない……?」


アイゼンは冷静に文書を手に取った。

そこには、血のように赤いインクで一行だけ書かれていた。


《ZEPHYR》


「……ゼフィル。」

アイゼンの赤い瞳が細められる。


死んだはずの弟子。カジノ・ロワイヤルで命を落としたと思われていた男の名が、再び現れる。


「師よ……俺はまだ終わっていない……」

残響のように、過去の声が耳の奥に響いた。


突如、部屋の照明が落ち、警報が鳴り響く。

赤いランプが点滅し、扉が自動で閉じていく。


「チッ、やられたか!」ジャスパーが叫ぶ。


スピーカーから、低く冷たい声が流れた。

『ようこそ、師よ。ここから先は、俺の領域だ』


ゼフィルの声。確かに、そこにいた。


アイゼンは静かにケースを閉じ、銃を構える。

「いいだろう、ゼフィル。貴様が死を逃れていたのなら……今度こそ、決着をつける。」


吹雪のような警報音の中、闇に潜む弟子の影と、再戦の予兆が深く刻まれた。



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