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【ランキング12位達成】 累計57万8千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『アル様とさっちゃんの魔竜討伐日記』

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第六話 空挺任務編・エリックとカンナ、はじめての背中

雲を切り裂き、魔導飛行船《アストラ=バルムガンド》はエンジン音を立てて進んでいた。

目指すは空中に浮かぶ古代遺跡スカイノア。そこには次なる魔鍵が眠るという。


「潜入任務か……どうせまた騒がしくなるんでしょ?」

カンナ姫は手すりにもたれながらため息をつく。


そこに、ドタドタと走る足音が近づいた。


「カンナさん!準備OKっすか!オレ、ワイヤーと潜入用の空挺装備、点検しました!」

振り返ると、全身装備のエリックが、まぶしい笑顔で親指を立てていた。


「ほんと、あんたって朝からバカみたいに元気ね……」

カンナは思わず笑いながらも、自分の装備を確認する。


夜明け前、空挺部隊として先行潜入するのは二人だけ。

仲間たちは上空で待機。すべては遺跡の結界を破るための偵察だ。


「じゃ、いくわよ」

「おうっ!」


風の音が高鳴る。

魔導飛行船の腹が開き、眼下には黒い雲と雷を孕んだ空。


「せーのっ!」

カンナが先に跳ぶ――と思った瞬間、足を滑らせた。


「うわっ——っ!?」

バランスを崩す彼女の腕を、エリックが瞬時につかんだ。


「アブな、足元には気をつけてくださいっす!」

「う、うるさい! 放してってば!!」


だがそのまま、エリックは彼女をしっかりと抱きかかえるように飛び降りる。


「ちょ、なにやってんのよーーーっ!?///」


風を切りながら、二人は高速降下していく。

エリックの背中越しに見る空は、なぜか広くて、そして――あたたかかった。


(この背中……あのときのリスクの背中と同じ――いや、違う)

(これは、今、私を守ってる背中……!)


どこか胸がくすぐったい感覚に、思わず頬を赤らめるカンナ。


着地の衝撃で砂埃が舞い上がる。

エリックは片膝をついて、彼女をそっと下ろした。


「ふぅ……なんとか無事っすね。よかった〜っす」

「……バカ。何が“よかった”よ、脳筋バカのくせに……」


「ん? なにか言いました?」

「……なーんでもないっ!」


そのあと、二人は連携し、幻影の罠をかいくぐって見事、魔鍵の封印装置の中枢部へと到達する。


撤収直前――


「ねぇ、エリック」

「はい?」


「また……背中、貸してくれる?」


「……え、あ、えぇー!? そ、それってど、どんな意味ですか!?」


「……バッカじゃないの。はやく飛ぶわよっ!」


挿絵(By みてみん)


潜入用の空挺に乗り、再び宙に舞い上がる二人。

だが、今度はカンナの手が、エリックの腰にしっかりと回されていた。


「……なんか今日は、悪くないかも」


雲を抜けるその瞬間、カンナの笑顔は朝焼けよりもまぶしかった。


なんか2人はいい感じ~まだまだ続くよ~!(byさっちゃん)


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