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【ランキング12位達成】 累計53万7千PV運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
第一章 旅立ち

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第16話 国境までの山道

(リスク)たちが進む山道は、まるで人を拒むような険しい獣道だった。山には濃い霧が視界を遮り、湿った空気が肌にまとわりつく。

道と呼べるほど整ってはおらず、むき出しの岩肌、滑りやすい苔の生えた斜面、急勾配の崖道が容赦なく続く。


「……くっ、足元が悪すぎる……!」

俺は泥だらけの靴を確認しながら、前方のぬかるみを飛び越えた。


「アルベルト様、お足元にお気をつけくださいませ」

マーリンのセクシーな衣装と山道の道のりはミスマッチであった。


「はーっはっは! このくらいの道、へっちゃらだって!」

勇者アルベルトは無駄に元気だが、肩に担いだ荷物がズルッと滑って転びかける。


「うわっ! ちょ、ちょっとマーリン、手貸してー!」


「……お気をつけあそばせ」

マーリンは無表情のまま、ふわりと片手でアルベルトを支える。その指先はまるで冷気を帯びているようだった。


木々は不気味に軋み、遠くからは野獣の遠吠えが聞こえる。空には黒雲が垂れ込み、今にも雨が降りそうだった。


「ここ、昔は盗賊団が根城にしていたって聞いたことある……」

俺がそう言うと、マーリンが静かに口を開く。


「……この道は“死者の参道”とも呼ばれていたそうですわ。数百年前、王国と魔王軍の激戦の跡地――魂が未だ迷っているとか」


「やめてよもう! そういう話苦手なんだってば!」

アルベルトが肩をすくめて震える。


「……風の匂いが変わったわ」

シスターマリアが立ち止まって、辺りを見渡す。


ゴロゴロ……

雷鳴が遠くで鳴った。

次の瞬間、木々の影からうごめく巨大な影


「モンスターっ! 接近してくる!!」

俺が叫んだとき霧の中から突如姿を現したのは、岩石の魔人と、牙を剥いたオークの兵士たちだった。


挿絵(By みてみん)


名前 岩石の魔人

体力 : 58

攻撃 : 38

防御 : 65

素早さ:28

この世界で岩石と魔人が合わさったモンスター岩のように固く物理防御が高い。


挿絵(By みてみん)


名前 オーク兵士

体力 : 100

攻撃 : 40

防御 : 35

素早さ: 17

この世界でブタと人間が合わさったモンスター体力が高くもっている槍で攻撃をしてくる。



「ぐるぅあああ!!」

岩肌のような皮膚に、燃えるような赤い目をした岩石の魔人が咆哮した。

その隣には牙を剥いたオーク兵士が、槍を振りかざして突進してくる。


「これはいきなり全力案件だな……!」

勇者アルベルトが剣に手をかけた、その瞬間――


「……ふふ。では、お見せしましょう」

マーリンが一歩前に出る。冷たい視線、まるで感情の読めない笑み。


「暗黒の闇の雷よ、降り注ぎ、喰らいつくせ サンダーヴォルト!」

バリバリバリバリバリィィィ――ッ!!!

漆黒の雷が天を裂き、閃光が闇を切り裂いた。


ズガァァァァァン――ッ!!!

轟音とともに、岩石の魔人の巨体が黒煙に包まれ、


ガギィィィ――ン!

バリバリバリッ!! ガラガラガラガラ……ドシャァァァァン!


砕けた岩の破片が辺りに飛び散り、地面に深いクレーターを残して沈黙する。


岩石の魔人が雷に貫かれ真っ二つに砕け散った。


同時に、マーリンは指先を弧を描くように振る。


「 永遠の悪夢よ、心を包み込め ナイトメア!」

黒い霧がオーク兵士を包み込み、奴はブヒ……と間抜けな声を出し、白目をむいて眠り込んだ。


「「……」」


しばしの沈黙。


「マーリン、すごいじゃないかぁ! 即戦力だよ君!!」

勇者アルベルトが目を輝かせながら、マーリンの肩を叩く。


「……嬉しいですわ。アルベルト様のお役に立てて」

マーリンは微笑むが、その目はまるで硝子のように冷たい。


(タイミングが良すぎる……バルドルが現れてすぐに現れた謎の高火力魔導士)

俺はマーリンをちらりと見る。笑っているが、笑っていない目。

(あの魔法の威力で、世の中にまったく名が出ていない? そんなのあるのか?)


「リスクさん?」

シスターマリアが不思議そうにこちらを見る。


「ああ、何でもない」


そして――山道を登りきった先に現れたのは、山脈の守護者・魔人ゴーレム。

その巨大な体躯が、ドスン、と地響きを立てて立ちはだかる。


挿絵(By みてみん)


名前 魔人ゴーレム

体力 : 700

攻撃 : 210

防御 : 320

素早さ:58

この世界で岩石と魔人が合わさったモンスター岩のように固く物理防御が高い。


「また出たな、石野郎……のボス!」

勇者アルベルトが剣を構える。

だが、マーリンは顔色ひとつ変えない。


ついに国境への山道はボス戦へと突入するのだった。


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