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【ランキング12位達成】 累計68万4千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『仁風、町に吹く3 ― さっちゃん先生 マフィア編』

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第1話 忍術野球、反則じゃないらしい

関ヶ原の戦いで勝利し、新たな国造りに励む「僕」。その平和を脅かす(?)事件が起きる。剣豪・宮本武蔵が率いる野球チーム「剣豪ズ」が、元忍者で構成されたプロ野球軍団「影の集団」と野球対決を行うこととなった。


登場人物

宮本みやもと 武蔵むさし

25歳。野生児。

剣で勝つことに異常なまでにこだわるゴリマッチョ。

二刀流はまだ未完成、風呂も未完成。

関ヶ原では西軍・足軽大将として参加。

野球は素人だが「気合と根性でどうにかなる」と思っている。



影の軍団(元忍者・プロ野球軍団)

◇霧隠 再三きりがくれ さいぞう

忍術ピッチャー。火遁で豪速球を投げる。

「火はルール上OK」


◇服部 半蔵はっとり はんぞう

影分身バッター。

一人で三振しても、分身の誰かが当てればヒット理論。


◇風魔 小太郎ふうま こたろう

影走り走塁の達人。盗塁が多すぎて審判が数えるのを諦める。


_______________________


春の河原に、即席の野球場が作られた。

白線は歪み、ベースは石。

それでも剣豪ズは胸を張っていた。


「野球だろうが戦だろうが、勝つのは剣だ」


宮本武蔵はそう言って、バットを肩に担ぐ様子が完全に抜刀前の構えだった。


その時、マウンドに一人の男が立つ。


霧隠再三。


顔は無表情、指先に赤い光が灯る。


「火遁の術」


次の瞬間、

火をまとった白球が唸りを上げて飛んできた。


「熱っっっっ!!」


武蔵は反射的にフルスイング。

だが、刀の間合いで振ったそのバットは空を切り、

球は捕手のミットを焦がして収まった。


ストライク。


「おい今の、燃えてたぞ!」


「火はルール上、OKです」


霧隠再三は淡々と言う。

審判は一瞬迷い、空を見上げてから旗を振った。


「……ストライク!」


剣豪ズ、ざわつく。


次の打者、服部半蔵。


打席に立った瞬間、

半蔵が二人、三人、五人に増えた。


「……どれだ?」


捕手が困惑する間に、

五人の半蔵が一斉にバットを構える。


一人は空振り、

一人は転ぶ、

一人はなぜか逆走、

だが


一人だけが、確かに球を捉えた。


★カキィン!


「ヒット!」


「待て待て待て!!今三振してたぞ!!」


「分身のうち一人が当てればヒットです」


「そんな理屈あるか!!」


審判は再び空を見上げ、ため息をついた。


「……ヒット!」


武蔵、地面に拳を叩きつける。


走者は風魔小太郎。


次の瞬間、姿が消えた。


「……あれ?」


気づいた時には、

小太郎はもう三塁を回っていた。


審判は額の汗を拭き、震える声で言った。


「……えー、今の走塁により……」


風魔小太郎は、すでにホームベースの上であぐらをかいていた。


「一点……入ります」


一点。


剣豪ズの内野は、まだ状況を理解できていない。


次の打者、服部半蔵。


霧隠再三が火遁で投げる。

白球は途中で三つに分裂した。


「球が増えたぞ!!」


分裂した球を、

三人の半蔵がそれぞれ打つ。


カキィン、カキィン、カキィン。


外野は完全に崩壊。


その間に――

風魔小太郎が、影走りで二人に分裂しながら進塁する。


「一人目、ホームイン!」


「二人目も……ホームイン!?」


審判、半泣き。


「……二点目、入ります」


二点。


続く忍者の打者。


今度は歳三がバットを持つ。


「火遁・流星打法」


振り抜いた瞬間、

打球が燃えながら空中で加速し、

外野フェンス(竹)を焼き切った。


「フェンス消えたぞ!!」


「場外です!!」


忍者たちが一斉に走る。


影走り、分身、瞬間移動。


「三点目……四点目……」


審判はついに指を折り始める。


「五点……六点……」


六点。


武蔵、口を開けたまま動かない。


なおも止まらない。


風魔小太郎が塁に出ると、

服部半蔵が笑って言った。


「そろそろ、いきますか」


三人がマウンドに集まる。


霧隠再三、印を結ぶ。

服部半蔵、分身を解除し本体が前へ。

風魔小太郎、影の中へ沈む。


「合体忍術」


空気が震えた。


「合体忍術・影火蝉走えんかせんそう


火遁で生まれた煙の中、

無数の空蝉(抜け殻)がグラウンドに散乱。


剣豪ズは全員、

どれが忍者で、どれが抜け殻かわからない。


次の瞬間。


煙が晴れた時には

全員、ホームベースに立っていた。


「な……」


「七点……八点……」


審判は座り込んだ。


「九点……十点……」


十点。



影の軍団 剣豪ズ

10 対 0

剣豪ズのコールド負け、試合終了の合図。


剣豪ズは、誰一人立ち上がれず、土の上に転がっていた。


武蔵は、膝をつき、バットを見下ろす。


「……野球って……剣じゃ勝てねぇんだな……」


霧隠歳三が一礼する。


「本日の試合、これにて終了」


服部半蔵が笑う。


「次は、もっと強いチームで来てください」


風魔小太郎は、すでに姿を消していた。


残されたグラウンド。


汗、土、焦げたバット。


武蔵はゆっくり立ち上がり、叫んだ。


「……もう一度だ、 再戦だ。」


誰に言うでもなく。


「次は忍術に勝てる野球剣豪たちを連れてくる!!」


こうして、宮本武蔵の剣豪たちを野球スカウト地獄編が、静かに始まった。


続く

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