表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ランキング12位達成】 累計68万4千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『仁風、町に吹く3 ― さっちゃん先生 マフィア編』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1537/1557

第2話 「デュエルAI投資不動産」

集会所の蛍光灯は、少しだけ白すぎた。


椅子はきれいに並び、配られた資料は分厚い。

紙の匂いだけが、昔の会合の名残だった。


正面のスクリーンに、企業ロゴが映る。


デュエルAI投資不動産

― 都市最適化プロジェクト ―


スピーカーから流れる声は、

感情を持たない。


「本再開発計画により、地域価値は上昇します」


グラフが伸び、数字が踊る。


「成功確率、98.7%」


誰も拍手しなかった。


町長は、軽く咳払いをしてから、

うなずいた。


「……町のためになる話です」


でも、その手は、

机の端を強く掴んでいる。


商店街会長は、資料をめくるたび、

音を立てた。


「この道、夕方になると、

子どもが走るんですが」


AIは、一瞬の間もなく答える。


「歩行者動線は、安全基準を満たします」


質問は終わる。答えは終わらない。


流れマンは、後ろの壁にもたれ、

人の足元を見ていた。


誰も、椅子を引かない。

立ち上がらない。


帰りたいが、帰れない。


足先だけが、出口を向いている。


「感情は、合理性を阻害します」


AIの声が、部屋に落ちる。


流れマンは、小さく息を吐いた。


――流れは、

数字より先に、体に出る。


説明会が終わる。

拍手は、最後まで起きなかった。


人々は、資料を抱え、

静かに外へ流れていく。


誰も反対しない。

誰も賛成しない。


それが、一番不安な流れだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ