表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ランキング12位達成】 累計68万5千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『仁風、町に吹く3 ― さっちゃん先生 マフィア編』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1535/1558

第9話 「日常が流れていく町、流れマン」

朝の光が、

商店街のシャッターの隙間をすり抜ける。


流れマンは、いつもの時間に、

いつもの道を歩いていた。


風邪は治った。

少し痩せた気もするが、

流れを見る目は、ちゃんと戻っている。


「すみません、ちょっといい?」


最初の依頼は、流し素麺の箸が足りないという話だった。

彼は黙って、

流れてくる麺の間を見て、

一番取りやすい場所を指さす。


「ここ」


それだけで、みんなうまくすくえた。


次は、ベンチに座ったおばあさんの世間話。

昔の商店街、

消えた映画館、

初めて買ったラジオ。


流れマンは、相槌だけ打つ。

話は自然に、今日の天気と夕飯の話へ流れていく。


昼過ぎ。

噂が一つ、

町を通り過ぎた。


「疑惑の逆流マン、町を出たらしいよ」


誰も追わなかった。

誰も悪く言わなかった。

それもまた、一つの流れだった。


夕方。

コロッケ屋の前を通ると、

行列は今日も、

ちょうどいい向きで伸びている。


「お、来てたのか」


店主が言う。


流れマンは、名乗らない。

立ち止まらない。


ヒーローの看板も、

拍手もいらない。


流れに逆らわず、詰まりを見つけたら、

少し整える。


それだけだ。


夜。町の灯りが、

一つずつ消えていく。


流れマンは、

橋の上で立ち止まり、

水の音を聞いた。


川は、今日も何も言わずに流れている。


世界は救えない。

でも、

町内なら、なんとかなる。


そう思いながら、

彼はまた、町の流れに溶けていった。




町内ヒーロー 流水戦士 流れマン


☆彡 完結


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ