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【ランキング12位達成】 累計69万1千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『仁風、町に吹く3 ― さっちゃん先生 マフィア編』

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第8話 「流れマンがいない日」

その朝、流れマンは布団の中にいた。


頭が重く、

喉がひりひりして、

流れを見るどころではない。


「今日は……休みます」


誰に言うでもなく、

天井に向かってつぶやいた。


その頃、町は。


ゴミは少し遅れて出され、

駐車場では小さな言い合いが起き、

商店街の行列は、また逆を向いた。


「今日は調子悪いねえ」

誰かが言う。


そして、事件は起きた。


「町内会費が……ない?」


集会所がざわつく。

封筒に入れて保管していたはずの現金が消えていた。


「誰かが持っていったんじゃないか」

「鍵はちゃんと閉めてた?」


疑いの流れが、

ゆっくり、広がる。


そのとき、一人がぽつりと言った。


「……流れマンなら、どう見るだろうね」


皆、黙った。


「人の動き」

「朝からの流れ」

「変だったところ」


自然と、考え始める。


「朝、集会所に来たの、

いつもより一人多かったよね」


「話が妙に逆だった」


そこへ現れたのが、

逆流マンだった。


流れマンとは逆に、わざと流れを乱す男。

昔、町内ヒーローに選ばれなかった。


「探すより、疑った方が早いですよ」


その言葉に、空気が冷える。


でも、誰かが言った。


「……違う」


「疑いは、町を止める」


皆が、考え直す。


夕方。

倉庫の奥から、

封筒は見つかった。


逆流マンが、

「混乱すれば面白い」と

隠していたのだ。


大騒ぎのあと、誰かが笑った。


「流れマン、いなくても、

ちょっとだけいたね」


夜。

流れマンは布団の中で、

遠くの話し声を聞いていた。


町は、自分がいなくても、

回る。


それでいい。


ヒーローは、

いない日があるから、町に残る。


翌朝、熱は下がり始めていた。

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