第18話 二人の勇者~真勇者アルベルトと裏勇者リスク~
《最弱》にして《最狂》
ゼロ能力者・リスク、今ここに、すべての《数字》を――上書きする!
俺のステータスが、狂ったように跳ね上がるッ!!
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名前:リスク(Zeroを超越する者)
レベル:69
体力:24
攻撃: 0+995+865(運)+848(賢さ)×300(ゼロの法則発動)
防御: 0+900+865(運) +848(賢さ)×300(ゼロの法則発動)
素早さ:0+955+865(運) +848(賢さ)×300(ゼロの法則発動)
魔力:1
賢さ:848
運: 865
※この世界で、最も弱いスライムに負けた男。
称号:必殺の仕事人リスク
称号:ビックリさせる天才
称号:しびれさせる者
称号:裏勇者
固有スキル
・ゼロの法則(ゼロの能力を3つ発動すると発動。運と賢さが加算され、×300で攻撃・防御・素早さを強化)
・村を作る(現在無効)
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「兄さんの無念を弟が今ここで、はらします!!」
アルベルトのリンゼルの双剣が燃える。
涙と怒りと祈りを込めて、双剣を両手に握り締めた!
「兄さんの名に懸けて――!」
彼の全身が紅蓮のオーラに包まれる!
「《リンゼルラッシュ》ッ!!!!」
ズガァァァン!!!
天地が震える剣閃――
一撃、二撃、三撃――!!
赤き閃光が大地を刻み、空に舞う!
四撃、五撃、六撃、七撃――!!
「うおおおおおおおおおおおおッ!!!!」
怒涛の猛撃がガイアスの闇の結界を叩き割る!!
八撃、九撃、十撃――!!
剣風が唸り、灼熱の火柱が天井を突き破る!!
十一撃、十二撃、十三撃――!!
兄リンゼルの魂が呼応するように、炎が鳳凰の如く舞い上がる!!
アルベルトが最後の剣を構える!
「――ラストォォォォッッ!!!!」
「これが……俺の全ッッ力だああああああああああああッッッ!!!!」
その瞬間、横からもうひとつの影が駆けた!
リスクだ!
「ちょいと脇、貸してもらうぜ!」
リスクの手には、ただ一本の――毒針!
速度は音を超え、光すら追いつけない――!
「これが、ゼロから積み上げた“最強”だ!!」
アルベルトの紅き刃と、リスクの無音の一閃が――
同時に、一直線に突き刺さる!!
「う、ぐああああああああああああッッッ!!!」
悪魔王ガイアスの心臓に、二人の勇者の想いが、魂ごと突き刺さる!!!
「…………ッ」
その瞬間――
すべての音が消えた。
時が、止まったかのようだった。
そして次の瞬間――
ドオオオオオオオンッッッ!!!!
《闇神核》が、粉砕された。
超次元の爆風が世界を駆け抜け、
黒い炎が空ごと浄化されていく。
空が、青く戻っていく。
大地が、再び鼓動を取り戻していく。
悪魔王ガイアスの身体が、ゆっくりと膝をつく。
「ぐ……ふ……わしが……この、わしが……人間ごときに……ッ!!」
全身から魔力が失われていくのを感じながら、ガイアスは小さく、涙を流した。
「弱者の分際で……このわしを……!」
リスクが肩で息をしながら、言い返す。
「悪いけどな……“弱い”からって、終わりじゃねえんだよ。俺たちは、そこからが本番なんだよ」
アルベルトが双剣を納める。
「兄さんと俺の夢、みんなの希望……お前には、絶対に壊させない!」
悪魔王ガイアスの身体は、灰となり、静かに風に舞った。
そして、完全に巨大な闇が一つ消えた。
俺たちは悪魔王ガイアスに、勝利した。