第六話 魔王軍料理顧問の刺客・カゲツ登場!
魔界調理師専門学校に、黒い公用馬車が到着。
降りてくるのは魔王軍料理顧問
カゲツ
黒髪氷色の瞳。無駄のない動き。
まるで手術台のように清潔な調理器具を持つ。
ラーメンモン校長が笑顔で迎えるが、
カゲツは一瞥するだけで言い放つ。
「この学校の“料理は愛情教育”……魔界の足を引っ張る愚策だ」
校内に冷気が走る。
3年ONI組に宣戦布告
カゲツはONI組の調理室へ。
生徒たちが普通に授業している横で、
彼は容赦なく批評を始める。
カゲツは炎堂カイに
「貴様の火の揺れで迷っているな。 迷いは味のブレになる」
カゲツは影沼シグレに
「“誰のために作るか”を決めていない料理は、ただの独りよがりだ」
カゲツはルビア・スイートに
「貴様は……感情過多。菓子に必要なのは“温度管理”だ」
すべて図星で、生徒の心が揺れていく。
まるで読心術。
シグレが低くつぶやく。
「……この人、俺たちの心を“味”で読んでる……?」
さっちゃんは一歩前に出る。
「うちの生徒を傷つける評価は許しませんよ?」
カゲツ
「なら証明してみせろ。
“愛情”などという曖昧な調味料が、技術に勝つと」
実技対決が決定。
課題は「自由料理」。
テーマは一つ――
“あなたが守りたいものの味”
3年ONI組は一致団結して挑むが、
カゲツは彼らの“心の揺らぎ”を完璧に利用する。
カイ
炎が揺れるたび
「迷い」と「恋心」が混じり、火力が乱れる。
ルビア
「好き」という気持ちが膨らむほど、
砂糖が暴走して失敗。
セラ
“恋を理解できない”苦悩で、計算式が狂っていく。
シグレ
本心を見透かされてしまう。
「君は“誰のために作りたい”のか、まだ分かっていない」
その一言で味が崩れる。
生徒たちの料理はすべて乱れ、
カゲツの料理だけが完璧に整っていた。
圧倒的敗北。
さっちゃん VS カゲツ
生徒の悔しさを背負い、
さっちゃん先生が単独で挑む。
「うちの子らに、心を折るような教育は許しません」
彼女の料理は、
“誰かを救ってきた味”。
しかし
カゲツの冷酷な一言。
「あなたの心……迷っている。
“生徒を守りたい”のか、“勝ちたい”のか。どちらだ?」
さっちゃんの手が止まり、味が揺れる。
「えっどっちって、勝ちたいけど料理よね?」
意味が分からないが、カゲツの勝利。
生徒たちの涙と、さっちゃんの誓い
ONI組は沈む。
負けた悔しさより、
さっちゃんを負けさせたことが痛かった。
カイ
「俺……もっと強くなる。火を……心を……」
ルビア
「カイくんのパスタ、守れるように……」
シグレ
「俺……分かった。俺の料理、誰に届けたいのか……」
ミナ・セラ・モグラ=バルも誓う。
そしてさっちゃんが静かに宣言。
「リベンジします。カゲツ……あなたに“愛情の力”を証明するために」
最後、カゲツが背を向けながらひとこと。
「敗北は死だ。
負ける教育者に価値はない」
次回、3年ONI組のパワーアップ編へ続く。
さっちゃん先生
450歳の鬼教師。恋愛にも料理にも容赦なくツッコむ。
魔界調理師専門学校に「料理は愛情!」を教えに着任。
【男子生徒】
炎堂カイ(火炎族・熱血)
鍋を燃やす天才。実は恋愛だけ奥手。さっちゃんに憧れ。
影沼シグレ(影魔族・天才調理師)
材料と会話する変人。天才。女子にモテるが本人は自覚なし。
モグラ=バル(地中族・ムードメーカー)
大食い。恋愛相談が異常に得意。揚げ物神。
【女子生徒】
ルビア・スイート(砂糖妖精)
カイに片想い。スイーツ爆発常習犯。
ガルド・ミナ(オーガ娘)
シグレが好き。力が強すぎて器具破壊魔。
セラ・マリーヌ(水霊)
委員長。調理を科学とする理論派。恋愛経験ゼロ。
【学校サイド】
ラーメンモン校長
「恋は沸騰デス!」が信条の謎の鍋魔。
校風はカオスだが腕は超一流。




