第9話 王家の墓へ 天才墓泥棒ライラ、謎を盗む
魔界エジプト領域
広大な砂漠のど真ん中にそびえ立つ巨大ピラミッドX。
俺たち(リスク一行)は、悪魔王ガイアスの魂の棺桶の2つ目を探しにここに来た。
その地下深く、地図にも載らない“王家の墓”が眠っているという。
「うぇ〜〜〜、ここ絶対謎があるっしょ♡」
って1人でテンアゲなのは、ギャル墓泥棒ことライラ様
「この岩…風通ってるし。ズレてる感MAXだし。もうこれ通路っしょ〜」
ゴゴゴゴ…ッと、岩が動いて隠し地下道出現!
「え、なんでわかるの!?」
って勇者アルベルトたちが固まってるけど、
「え、元・天才墓場泥棒なんで〜オタクたちとは経験値が違うの♡」
とドヤ顔でウィンクするライラ様。まじ天才。
「謎解き?全部ヌルゲーでしょ?」
地下通路マジ広いし、古代マカイ語とかイミフで浮いてるし、いちいち罠あるし。
でも全部ライラにかかれば、ただの映えスポットと化す!
「この碑文、上下逆さに読むとかダルいんだけど〜」
「ここ、風属性の魔石ぶち込めば開く扉って感じ〜」
「フラミンゴステップじゃないと床抜けるタイプ〜、マジありがち〜」
スッスッとヒールでフラミンゴステップを決めながら、華麗に罠回避!
「おまえ、ほんと何者だよ…」
「てか盗掘にテンション上がってんのライラだけだぞ」ってリスクがボソッと。
「謎解きとかマジおやつなんで〜」
しかし、その一方でフランケンシュタイン
「……あ、あれ……今、何か聞こえなかった?」
フラちゃんが震えてる。見た目は岩よりデカい筋肉モンスターなのに
ガクブルでシスターマリアの後ろに隠れてる。
「おい……お前、フランケンだろ……?」
「こ、こーゆーとこマジむり……なんかこう……ゾンビ出てきそうなカンジぃ〜……ホラー苦手なんよぉ〜〜〜(泣)」
通路の壁には、ボロッボロのミイラたちの絵。
しかも、たまに実物(本物)も混ざってるの、マジやばい。
でもライラだけはテンアゲ。
「こういうのって、逆に映えるくない?♥ストーリーあるカンジ出るじゃん〜」
しかも謎解きも秒で解いていく。
「ミイラの目の中にボタンあるやつ〜www」
「階段の影のとこにレバー仕込んであるやつ〜www」
「棺桶に奥に腕を突っ込んだらカチッて開くやつ〜www」
全部、フラちゃんが泣きながら見てる前でノリノリで解除!
そして王の墓の間へ
一番奥の部屋には、でっかい黄金の玉座と、石の像がズラリ。
中央にある棺が、魂の棺桶に違いない。
「ここか……。ついに来たな……」アルベルトが呟く。
「ヤバそうな気配するわ〜、ここマジ戦闘前のセーブポイント感ある〜」
ライラがギャル感で的確に表現。
すると――
「おい……棺が……動いてる……」リスクが指差す。
ゴゴゴゴゴ……と重々しく棺が開き、
古代の王・ファラオ・モルガナの幻影がゆっくりと姿を現した――!
「この墓に足を踏み入れし者よ……死の裁きを受けるがよい……!」
魔界エジプトの王家の墓で最後のボス戦が始まろうとしていた。