第三話 かまくらデート大作戦!友情と恋の衝突
北の大地学園の校庭は一面雪景色。凍える風の中、さっちゃん先生は杖を振りかざし、いつもの毒舌で宣言する。
「男女ペアになって、かまくら作りなさ〜い!!」
生徒たちは驚きと困惑の表情。雪野ひよりは顔を赤らめ、白樺ユキトを見つめる。氷室カレンは眉をひそめつつも、ユキトを見つけて小さく舌打ち。
「……こんな寒いのに、仕方ないわね」
さっちゃん先生は杖をぐるぐる回し、次々と小さなかまくらを量産する。雪を押し固め、窓や扉まで完璧に作り上げる魔力で、生徒たちが自然とペアにならざるを得ない状況を作り出す。
ペアの相性バトル
雪野ひより ×白樺ユキト
雪の斜面でひよりは大胆にスキー板を滑らせ、ユキトの目の前で着地。息を切らしながらも笑顔で言う。
「ユキトくん、一緒に作ろう!」
ユキトは無邪気に笑い返す。
「よし、ひよりのリードに任せるぜ!」
二人は息を合わせて雪を積み、かまくらを形にしていく。距離がぐっと縮まる瞬間。
氷室カレン × 大地ハルト
カレンは無言で雪を固めるが、ハルトが手元で戸惑う。
「こ、こう…かな……?」
「……鈍いわね。もう少し力を入れて」
カレンのクールな指示に、ハルトは赤面しつつも必死に応じる。険悪さと微妙な緊張感が交錯する。
吹雪エミ ×凍堂レイジ
エミはハツラツと雪を投げつけ、レイジは冷静に防御。
「まったく、貴女は元気ね……」
「だって楽しいじゃない!レイジ先輩!」
笑顔と照れ顔が入り混じる。距離は縮まるが、エミの秘密の恋がまだ影を落とす。
夜のかまくら内、告白寸前
夜になり、ペアで完成したかまくらに入る生徒たち。息が白く、吐く息でかまくら内は温かくなり、自然と距離が近づく。
ひより × ユキト
ひよりは小さな声でつぶやく。
「ユキトくん……わたし…」
ユキトが耳を傾ける瞬間、カレンが外から雪を投げ込む。ひよりは驚きつつ、ユキトは笑うしかない。
「おいおい、ここはかまくらじゃなくて戦場か?」
カレン × ハルト
ハルトは勇気を出して告白しようとするが、カレンが意地悪く微笑む。
「そんなに簡単に言わせると思った?」
ハルトの頬が赤く染まる。
校庭の隅から杖を振るうさっちゃん先生は、こっそり観察しつつも容赦なし。
「うおおおお!告白寸前で止まるなんて甘えんじゃねぇぇぇッ!!」
杖から魔力が飛び出し、かまくらの中の二人を軽く揺らし、告白チャンスを強制的に作る。
「……私の出番はここよ!恋のスイッチを入れ直すッ!!」
生徒たちは半泣き、半笑いで必死にバランスを取りながらも、恋の火花が確実に散っていく。
雪明かりの中、かまくらで手をつなぐペアもいれば、険悪になりつつも距離が縮まったペアもいる。
さっちゃん先生は夜空を見上げ、杖を高く掲げる。
「北の大地でも、恋は止められないわよッ!」
雪の結晶が光を反射し、学園の夜は恋の熱気に包まれる。
北の大地学園の生徒たち
雪野ひより(女子)—“雪ん子ヒロイン”
白樺ユキト(男子)—“天性の人たらし”
氷室カレン(女子)—“クール系なのに恋愛暴走兵器”
大地ハルト(男子)—“慎重すぎて恋を逃す男”
吹雪エミ(女子)—“ムードメーカーの裏に秘密の恋”
生徒会長・凍堂レイジ(男子)—“氷の王子なのに恋愛に弱い”
雪山の用務員・モクじい— 北の大地学園の裏の番人
雪女カップル(特別出演)この学園の伝説の「恋の守護霊」的存在




