第一話 北の大地学園へようこそ!氷点下の恋愛戦線、開幕
北の果てにある北の大地学園
一面、銀世界。
気温マイナス18度。風は骨を刺すように痛い。
そんな地獄に、ひとりの教師が降り立った。
恋愛再教育の鬼・さっちゃん先生である。
「……さむッ!! なにこれ!? 罰ゲーム!?
この学校、氷河期か!?!?」
到着早々、さっちゃんは叫んだ。
北の大地学園――通称“恋愛凍結エリア”。
古びた校舎は雪に埋まりかけ、教室は暖房ゼロ。
生徒たちの表情は無。恋愛の“れ”の字もない。
先生、プチギレ。
「青春が凍ってんじゃねぇぇぇッ!!」
魔力をこめた一発の指パッチン
バチンッ!
古い校舎が震え、教室の氷がドゥワァァァッ!と溶け、
強制的に“恋愛モードON”の暖気がブワッと広がった。
だがその直後、さっちゃんは足を踏み外して
校庭の雪に ズボォォォッ!! と埋まる。
「助けてーーーっ!!」
そんなドタバタをよそに、
学園の生徒たちは、凍りかけた青春を取り戻し始める――。
雪の向こうから、ひとりの少女が現れた。
白い息を吐きながら、さっちゃんを引っ張り出してくれる。
雪野ひより(女子)—“雪ん子ヒロイン”
素朴で優しく、冬をこよなく愛する女の子。
かまくら作りの腕前はプロ級。
だが恋だけは超奥手。
スキー部の男子 白樺ユキトへの想いに気づかないフリを続けている。
「先生、大丈夫ですか? この学校……寒いので……」
「知ってるわよ!! 氷点下の学校なんて聞いてない!!」
そこにスキー板を担いで駆け寄ってきた男子がいた。
白樺ユキト(男子)—“天性の人たらし”
スキー部のエース。
天然で人懐っこい笑顔が武器。
女子の心を無自覚に溶かすタイプ。
「先生ケガしてない? 体あっためよっか?」
「……たらしが来たわね……(直感)」
ユキトがひよりを気にかけるたび、
その後ろから凍てつく視線が飛んでくる。
氷室カレン(女子)—“クール系なのに恋愛暴走兵器”
黒髪ロングの美少女。
普段はクールだが、恋愛が絡むと暴走する危険なタイプ。
ひよりの恋敵で、ユキトを巡る三角関係の一角。
「ユキト君、先生より私の方が温め方、上手いから」
「ちょっと待ちなさい殺意こもってるわよその目!!」
雪と恋の火花が散り始める。
そこへ真面目そうな男子が駆け足でやってきた。
大地ハルト(男子)—“慎重すぎて恋を逃す男”
生徒会の堅物。
吹雪エミに片想い中だが、慎重すぎて一歩踏み出せない。
「さっちゃん先生! 校内での恋愛過多は秩序が……」
「恋愛しろォォ!! 革命よハルト!!」
ハルトは毎回、事件に巻き込まれる運命を背負っていた。
そのハルトに「おーい!」と手を振るのは
吹雪エミ(女子)—“ムードメーカーの裏に秘密の恋”
明るいお調子者。運動神経抜群で雪合戦の女王。
けれど誰にも言えない“秘密の恋”を抱えている。
「先生、恋バナなら全力で守るから! 雪玉より重い悩みでも投げて!」
この子、実は最初から爆弾を持っている。
そして、空気がピシッと張りつめた。
氷のように冷たい声が響く。
生徒会長・凍堂レイジ(男子)—“氷の王子なのに恋愛に弱い”
冷静沈着、完璧主義。
だが恋愛事件には異様に弱いという致命的な欠点持ち。
「さっちゃん先生……
恋愛過多による校内治安の乱れ、断じて許しません。」
「じゃああなたも恋しなさい。氷溶けるわよ?」
「ッ……!? し、失礼する!!」
逃げた。
そして
氷点下の学園。
三角関係、片想い、秘密の恋、暴走ヒロイン、氷の会長。
問題児だらけ。
「この学校……一週間で恋愛革命起こすわよ!!
青春が凍ってんじゃないの!!」
こうして、さっちゃん先生の
“北の大地学園 恋愛再教育プロジェクト”が幕を開けたのだった。
北の大地学園の生徒たち
雪野ひより(女子)—“雪ん子ヒロイン”
白樺ユキト(男子)—“天性の人たらし”
氷室カレン(女子)—“クール系なのに恋愛暴走兵器”
大地ハルト(男子)—“慎重すぎて恋を逃す男”
吹雪エミ(女子)—“ムードメーカーの裏に秘密の恋”
生徒会長・凍堂レイジ(男子)—“氷の王子なのに恋愛に弱い”
雪山の用務員・モクじい— 北の大地学園の裏の番人
雪女カップル(特別出演)この学園の伝説の「恋の守護霊」的存在




