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【ランキング12位達成】 累計58万6千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
「アイゼンハワード最後の旅6 〜血塗られた王冠を追え〜」

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第15話 世界断層戦線─世界崩壊まで、残り “10秒”

大地が悲鳴を上げて裂け、

天空が上下反転し、

世界そのものが「消える準備」を始めていた。


復讐の亡骸ヴァンキッシャーは、

両腕を広げ、世界を抱き潰すように呪力を膨張させる。


その一撃は 大陸そのものを消滅させる。


アイゼンが震える腕で杖を構え、絶叫する。


「みんな!!最後の切り札を使う!!

ここで止める!!止めるしかない!!」


残り 9 秒

アイゼンハワードの切り札

古代魔装式オーバー・コード起動


杖に刻まれた古代ルーンが全て光を放ち、

アイゼンの魔力が数百倍に膨れ上がる。


「この術は……一度使えば、二度と使えない……

後悔はない!!」


血を吐きながら魔法陣を展開する。


ルアーナが叫ぶ。

「アイゼン!魔力の負荷が危険値を超えてる!!死ぬ気!?」


「死ぬ気じゃない……

“みんなで生きるためにやるんだ”!!」


残り 7 秒

リュカの切り札


極限武装ノヴァ・エンジン解放


リュカの背中から光の推進翼が吹き上がる。


「こっからは……スピードの勝負だろ!!」


世界が止まったかのような速度で駆け抜け、

ヴァンキッシャーの胸元に一撃を叩き込む!


ドガァァァァァッ!!!


しかし黒い骨の装甲に阻まれ、

拳が砕ける。


「ちっ……痛ぇな!!でも止まらねぇ!!」


残り 6 秒

ルアーナの切り札

王冠魔力逆流装置ネガ・クラウン強制起動


装置を地面に叩きつけ、

ルアーナが泣きながら叫ぶ。


「これ以上王冠に呪力を供給させない!!

私たちが……世界を守る!!」


装置が悲鳴を上げながら起動し、

王冠の呪力を逆流させて停止させ始める。


闇の巨体がわずかにたじろぐ。


残り 5 秒

死神レイヴの切り札

魂喰らいの大鎌アビス・リーパー


「はぁ……はぁ……

いいねぇ……死の匂いが濃くなってきた……!」


大鎌を肩に担ぎ、黒い炎を纏う。


「スカーレット……

アンタが悲しいのは分かってんだ……

だがもう……終わらせようぜェ!!」


レイヴが影エネルギーを一点に爆発させ、

ヴァンキッシャーの動きを一瞬止める。


残り 3 秒

四人の最終奥義


アイゼンが叫ぶ。


「総攻撃だ!!

ルアーナ!リュカ!レイヴ!!

これが最後の“生還ルート”だ!!」


リュカ

「わかったよ……死ぬ気のやつに、勝てるわけねぇよ!!行くぞ!!」


ルアーナ

「スカーレットさんを……もう苦しませない!!」


レイヴ

「全部終わらせる一撃、叩き込もうぜェ!!」


残り 1 秒

アイゼンが詠唱の最終行を叫ぶ。

「古代魔法――

《終焉断層崩壊・セラフィックゼロ》!!!」


四人の力がひとつに重なり、

巨大な白い刃となって世界を斬り裂くように放たれる。


ヴァンキッシャーが咆哮する。


「ァァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」


黒い翼が砕ける。

呪いの核が割れ始める。

涙のような“赤い光”が零れる。


それは

まだスカーレットの魂の一部だった。


空を覆う呪いが破れ、

世界が揺らぎながらも「残る」。


四人は地面に倒れ込み、

あらゆる力を使い果たした。


そしてそこには――


復讐の亡骸ヴァンキッシャーの残骸

燃え尽きた骨の影。

その中心に、

“復讐に囚われた少女の涙”だけが残っていた。


アイゼンがかすれた声で呟く。


「……復讐は……何も救わない……

ただ……次の悲劇を呼ぶだけだ……」


風が吹き抜け、

破壊された世界に静寂が訪れる。


物語は、静かに幕を閉じる。



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