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【ランキング12位達成】 累計57万8千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
「アイゼンハワード最後の旅6 〜血塗られた王冠を追え〜」

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第14話 世界断層戦線ー絶望と知略の応酬

ルアーナが解析装置の最後のスイッチを叩き込む。

「魔力逆流プログラム、強制起動!これで一瞬だけ…王冠の力を封じる!!」


装置から迸る白光が大地を貫き、王冠の黒い呪力を逆流させる。

裂けた大地が震え、天空の炎柱が揺らぎ、逆さ火山の噴火が沈静化し始めた。


アイゼンが叫ぶ。

「リュカ、今だ!!」


リュカは空気を切り裂き、王冠の魔力の中心へ踏み込む。

「これで決めるッ!」

斬撃が王冠の核へ到達し、黒い火花が弾け飛ぶ。


アイゼンは魔法の鎖を千本の雷のように放つ。

「古代式・拘束魔鎖ロックバインド!呪力の拡散、封じ込める!!」


死神レイヴは影の渦から躍り出て、次々と降り注ぐ呪力の矢を笑いながら弾き返す。

「ヒヒヒヒッ!もっと撃てよ、スカーレット!その全部、返してやるぜ!!」


スカーレットの身体が崩れ落ち、血塗られた瞳が震える。

「や…やはり……私の全て……復讐だけ……」


ルアーナが息を呑む。

「先生、魔力値が……おかしい!!スカーレットの身体が……王冠に喰われていく!」


アイゼンの表情が蒼ざめる。

「まずい……逆流に耐えきれず、呪冠が“次の器”を求めている……!」


次の瞬間

大地が真っ赤に裂け、空が反転した。


王冠を中心に、黒い腕が何本も伸びてスカーレットの身体を引きずり込み、

闇と憎悪が混ざり合って、巨大な骸の影がゆっくり形を成す。


ルアーナが震えた声で叫ぶ。

「あれは……まさか……」


闇の中から、骨と影と血の塊が姿を現した。


復讐の亡骸ヴァンキッシャー


王冠の呪力がスカーレットを完全に取り込み、

“復讐だけを動力とする怪物” が生まれた。


「ヴァァァァァァアアッ……!」

巨体が咆哮し、音が震えの衝撃波となって大地を吹き飛ばす。


アイゼンが歯を食いしばる。

「……復讐は、誰も救わない――」

その呟きと同時に、亡骸は世界を砕く勢いで殴りかかってきた。


死神レイヴが瞬時に影に潜るが――

「うおッ!?速ぇッ!?」

読み切れない速度で巨大拳が迫り、影ごと吹き飛ばされる。


ルアーナは必死に装置を構える。

「魔力値が急上昇!!こんなの……世界が耐えられない!!」


リュカが叫びながら飛び込む。

「まだやれる!オレが止める!!」


だが――

ヴァンキッシャーの黒い翼が暴風を生み、リュカを吹き飛ばした。


アイゼンが結界を展開するも、呪力の拳が一撃で粉砕。

「ぐっ……!強すぎる……あれはもう、スカーレットではない……!」


死神レイヴが血を吐きながら笑う。

「イヒヒ……こりゃあ、マジの死神より強ぇな……!」


4人は完全に追い詰められていた。


アイゼンは震える声で叫ぶ。

「全員、生き残れ!!ここで終わらせる……!」


その瞬間、ヴァンキッシャーの巨大な影が4人に覆いかぶさり殴りつける。

一瞬のうちに地面にうつ伏せに倒れていた。



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