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【ランキング12位達成】 累計57万8千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
第十章 不死身の悪魔王ガイアスと不滅のギャル

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第5話 魔導レンタルカー爆走編

魔界の朝


デトロイトメタルシティの地下バー《死霊の館》で目を覚ました俺たちを待っていたのは……山のように盛られた、真っ赤なカレーだった。


「おはようございます、リスクさん♡ 朝食です♡」

とシスターマリアが笑顔でテーブルを指差す。


その先にいたのは、巨大な鍋をぐつぐつ煮込みながら仁王立ちするマスター・フランケンシュタインの通称“フラちゃん”。


「こ、これは……」


カレーの香りというより、カレーの“圧”がすごい。

鉄板を溶かすほどのスパイスに、魔界の激辛ハバネロ10個分の破壊力。

ご飯は5合。ルーの中にはなぜか煮込まれた牛骨が丸ごと2本入っている。


「…まさか、これ全部……?」と勇者アルベルト。


フラちゃんは腕を組んで、どっしりと構えて言った。


「朝メシを残して逃げる奴は……俺は絶対に許さん! …けと残してもイイヨー!」


「どっち!?!?」


「全部食べてからじゃないと、デコトラの鍵は……渡してもイイヨー!」


俺たちは覚悟を決め、炎のように辛い魔界カレーに挑んだ。

「じぇじぇじぇ〜!激辛ギャル飯きた〜!」

ライラは叫びながら意外と早く完食。


マーリンは冷静に氷魔法でルーの一部を冷やしながら対処。


勇者アルベルトは

「これが真の勇者試練なのか…」

と汗をだらだら流しつつ、最後は気合いで食い切った。

シスターマリアは「神よ……胃袋にもご加護を…」と祈りながら完食。


リスクは、涙目になりながらなんとか完食し、ついに……!


「ごちそうさまでしたぁああああ!!!」


「完食確認。じゃあ…………出発してもイイヨー!」


フラちゃんがガレージのシャッターを開けた。


そこには……


挿絵(By みてみん)


ド派手なトラックのフラちゃん特製、魔導デコトラ《デッドエンド煌号》が鎮座していた。車体はメタリックなピンク、無数のLEDが光り、魔法陣がタイヤから浮かび上がっている。屋根の上では、なぜかドラゴン型のフィギュアが回転していた。


「こ、これで逃げるのか……?」

と俺。


「目立ちすぎだろこれ!!!」

とマーリン。


「ギャル的には超アゲアゲなんだけど〜♡」

とライラが大喜び。


「逃げてもイイヨー!」

とだけフラちゃんは親指を立てていた。


そんなやりとりをしていると、突然


空からミサイルの雨。

地を裂き、バイクのエンジン音が響く。


「来たわね……!」


悪魔王ガイアスの手先――バイクに乗った死神のような魔族スカルライダーと、空からミサイルを撃ちまくる空戦魔族ミサイルマンが迫ってきた。


挿絵(By みてみん)


名前 :スカルライダー

体力 : 6666

攻撃 : 4500

防御 : 0

素早さ:5000 固有スキル 死者 状態異常スキル不可


この世界で地獄の騎士。爆速で地上を駆け、死者の呪いで周囲を腐敗させる。自らのバイクと一体化しているため、破壊には高い火力が必要。


名前 :ミサイルマン

体力 : 7777

攻撃 : 5500

防御 : 999

素早さ:5800 固有スキル 機械 状態異常スキル不可


この世界で上空から狙撃&爆撃。自爆機能を搭載しており、瀕死になると敵に突っ込んでくる自爆兵器。感情は無く、ただ破壊のプログラムに従って動く。



黒魔術師マーリンの杖が黒き光を放ち、空間に闇の波紋が広がる。


「哀れなる命の灯火よ、お前たちの鼓動は、もはや“その時”を迎えている。

眠れ、痛みと共に。咲け、死の薔薇よ……血に染まりて、闇に微笑め。

《ブラックロザリア!!》」


次の瞬間、無数の黒いバラが空中に咲き乱れた。


「なっ……!?」

スカルライダーのバイクが失速。バラの棘が空間を突き破り、彼の胸を貫く!


挿絵(By みてみん)


「グゴアアアアアアアアッ!!!!!」


棘は心臓を穿ち、真っ黒な血を吸って咲き誇る。

バラは、彼の命を吸い尽くし、妖しく笑ったように――散った。


スカルライダー、即死。

バイク《バンシーヘル》も主と共に崩れ落ち、黒煙を上げて爆発した。


「じゃ〜ん♡ ギャルのラストショー、始めちゃうよん♡

乱れ咲け、イージスの花――!」


ライラの弓に、七色の矢が次々と生成される。

花びらのように舞うそれらが、空を翔けるミサイルマンを囲む!


「撃ち抜けッ!乱れ百花繚乱撃ち!!!」


数十本の矢が一斉に飛び出し、ミサイルマンの胴体とミサイルポッドに命中!

爆発! 爆発!! 爆発!!!


「ガァァ……オオ……ッ……」


ミサイルマンの身体が空中で何度も破裂し、最後は自爆装置ごと破裂した。

爆煙の中、ガラクタとなった機体が真下の谷へと墜落していく。


「主の御名において裁きを――

神よ、偽りの魂に鉄槌を!

《神聖なる審判――セイクリッド・ジャッジメント》!!」


空が裂けた。


雲を突き破って現れた巨大な十字架が、金色に輝きながら落下する。


「ドォォオオオン!!!!」


まさに天罰。

光が骸骨たちを貫き、無数の爆発が起きる。


スカルライダーの残骸に止めを刺すように、十字の光が最後に炸裂!


「神の審判、終了です。」


シスターマリアが祈りを終えたとき、戦場に立っていたのは俺たちだけだった。


マーリンの黒薔薇、ライラの百花繚乱、マリアの神の天罰が完璧に決まり、悪魔王ガイアスの最凶の刺客たちを撃退した。


【パーティ全員のレベルが2上がった!】




フラちゃんがデコトラの運転席から振り返り、親指を立てて言った。


「エンジンかけてもイイヨー!」


魔導デコトラ《デッドエンド煌号》、再び爆走開始!俺たちは爆走して街をでた。



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