第四話 ライバル校襲来 、静かな角と静かな毒舌
MNC養成所
いつものようにボルカの小爆発、ふぅこの幻術暴発、
スカル兄の“朝の点呼で骨が散乱”という騒がしい一日が始まるはずだった。
しかし、その日は違った。
◆開幕:ライバル校 MMC(魔界漫才カレッジ)来襲◆
校門前に、黒光りする豪華馬車。
そこから現れたのは、魔界漫才カレッジ(MMC)の最強生徒たち。
スタジオがざわめく。
ゴブ郎
「ついに……来たのか……“お笑いエリート”たちが……!」
さっちゃん
「いや、震えるほどの弱小ちゃうねんアンタらが。
まずお前が震えるのやめろ!失礼や!」
MMCの生徒たちは、衣装もメイクも一流。
オーラが違う。
◆MMCのエース:黒電ハーデン & 断罪ルーメン
ハーデンは黒い雷を纏い、
ルーメンは光を操る天才。
ハーデン
「俺たちの漫才、見せてやるよ。
雑魚校さんの生徒たちに、“本物”というやつを。」
ルーメン
「期待は……しなくていいよ?(笑顔キラリ)」
MNC生徒、全員青ざめる。
その緊張を切り裂いたのは、
角魔族の大柄な男がステージ後方に歩み出る重い足音。
グラディウス・ホーン先生。
名前:グラディウス・ホーン
種族:角魔族 外見:大柄で角があり、常に重厚感
性格:無表情だが生徒のボケを的確に見抜く
特技:静かに毒舌、ボケの破壊力分析
無表情、角が二本、
そして存在そのものが“重厚感”の塊。
彼は腕を組んだまま、
MNC生徒の不安を一瞥し、静かに口を開いた。
グラディウス
「落ち着け。
漫才は……力比べではない。」
クール=リース
「先生……!どうしてここに……?」
グラディウス
「今日は“分析授業”担当だ。
お前たちのボケ……
どれだけ粗があるか、見てやる。」
生徒たち
「言い方ァァァ!!」
だがこの人、静かに毒舌を吐くくせに
不思議と嫌味がない。重いけど。
舞台に立ったハーデン&ルーメン。
その漫才はまさにプロレベル。
・テンポが神
・間も完璧
・起承転結が鋭い
・ボケの精度は魔界トップクラス
・ツッコミは“痛みゼロなのに刺さる”
そして最後のオチは電光石火。
客席(MNC生徒)
「……すご……」
さっちゃん
「完璧やけど……
完璧すぎてムカつくわね(殺意微笑)」
ボルカ
「無理!あれには勝てん!」
ふぅこ
「プロやん……あんなもん勝てるわけないでしょ!」
スカル兄
「骨抜かれるわ……!」
クール=リース
「溶けた……僕は今、精神が溶けた……」
ウィステリア
「光が……強すぎて……詩が死んだ……」
グラディウスは微動だにせず、
ただ静かに、低い声で言い放った。
グラディウス
「ふん。
パーフェクト?
違うな。」
全員「え?」
グラディウス
「確かに技術は完璧。
しかし……“魔界漫才”にしては……
美しすぎる。」
沈黙。
グラディウス
「ボケの破壊力が足りん。
もっと狂っていい。
もっと自分を壊していい。
笑いに必要なのは“生々しさ”だ。」
さっちゃん
「そう!!それそれ!!
漫才は起承転結を組み立てても、
最後に必要なのは オチで全部ぶっ壊す“勢いの爆発”や!!」
生徒たち「おおおおお!!」
さっちゃん、全方位指導モード ON。
さっちゃん
「いいかお前ら!
漫才の基本はこれや!!
起:世界観をつくる
承:ボケを広げる
転:想定外の加速
結:オチで全部まとめて笑わせろ!
起承転結を崩すな!
でも“型どおり”でもアカン!」
グラディウス
「型は……壊すためにある。」
さっちゃん
「壊す前に型覚えてこいバカタレ!!」
生徒たち
「は、はいぃぃぃ!!」
トップバッター:
ボルカ & クール=リース
ボルカ、緊張で小爆発。
クール=リース、氷で滑って転ぶ。
会場、ザワ……。
しかし、ここでグラディウスの静かな声が飛ぶ。
グラディウス
「……拾え。お前らのボケは“素材”だけは良い。」
さっちゃん
「ボケ逃すなぁぁぁ!!」
二人
「はっ!!」
そこから二人は
・爆発をネタにする
・氷の転倒を伏線にする
・起承転結を作り直す
・最後は二人同時に爆発して滑る“大オチ”
客席、大爆笑。
MMC生徒たちの表情が変わった。
ハーデン
「ちょっと……何あれ……」
ルーメン
「普通に面白いじゃん。やばい。」
そのとき、グラディウスが静かに呟く。
グラディウス
「……始まったな。
“本当の勝負”が。」
さっちゃん
「私も燃えてきたわぁああ!!
次回、リベンジマッチや!!」
MNC、反撃開始!
生徒たち(魔界養成カルチャー・MNC)
ボルカ・ハッパー(炎獄族)
特技:舞台で火炎芸(炎を吐く)
弱点:緊張すると観客にファイアボールを投げる
特徴:ツッコミされると炎の色が変化(赤→青→白→黒)
さっちゃん評価:
「緊張で劇場燃やすなバカタレ!!」
クール=リース(氷霊族)
特技:氷魔法で“スベり芸”を物理再現
弱点:ギャグ外すと舞台が凍って崩壊
性格:やる気ほぼゼロ、口数少なめ
口癖:「笑いとか……溶けるし……」
スカル兄(白骨族)
特技:自称“魔界の松本人骨”、ボケ担当
弱点:骨が外れやすく、医療事故が多い
特徴:「お約束の崩壊」が得意技、補助者必須
キツネ乃ふぅこ(妖狐族)
特技:妖術トリックスター芸、幻術で観客半分異世界へ
弱点:可愛いのに口が悪く、さっちゃんと舌戦で場が凍る
さっちゃん評価:
「アンタ私に勝てると思うなよ??」
ゴブ郎(ゴブリン界のプリンス)
特技:ゴブリンジョーク
弱点:圧倒的につまらない
特徴:本人だけは天才だと思い込む
校長の評価:
「お前は逆にすげぇよ……笑いゼロって才能だぞ」
ラミリス・バニー(AI式魔人)
特技:量子演算でネタの最適解を瞬時に算出
弱点:完璧すぎて逆に受けない、計算がロボット的
口癖:「そのボケの期待値は0.62……改善が必要です」
ウィステリア(月影族)
特技:お笑いを“詩”として表現する文系芸人
弱点:ネタが暗すぎて観客のメンタルが欠ける
特徴:たまに名作を生むが、ほぼホラー




