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【ランキング12位達成】 累計58万9千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
「アイゼンハワード最後の旅5 ハメられた罠と笑う死神、盗まれた友情」

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第5話 砂漠の迷宮、死神の試練

砂漠の熱気をまとい、アイゼンハワードは壁に沿って慎重に歩く。

ルアーナは手に持った解析装置をピカピカ光らせ、

リュカは静かに後ろから周囲を見守る。


アイゼン「ふん、これが迷宮ってわけか。砂漠の風情を味わうには悪くない、が――罠が多すぎる」


ルアーナ「味わうとか言ってる場合じゃないでしょ!この床、圧力板よ!」


リュカ「……ここ、右に曲がると隠し扉がある」


アイゼンは眉をひそめる。

「さすが元囚人、目の付け所が違うな」


ルアーナは早速罠の解除を開始する。

「くそ…砂と鉄のコンボ、厄介すぎ!」


背後で風の音。

誰も気づかないが、死神レイヴの影が迷宮の通路に紛れ込んでいる。


突如、迷宮の中央広間で扉が閉まり、

天井から鉄球が落ちてくる。


アイゼン「ふん、これが試練か。まあ、俺の足もとを見くびるなよ――」


かし、その鉄球の動きは少し変。

鋭い目を持つリュカが気づく。


リュカ「……誰か、わざと道を示してる」


壁の影から、死神レイヴの声が響く。


死神レイヴ「おっとっとー、アイゼンさん、左に行くと面白いことになるよ〜」


ルアーナ「待って!味方なの?敵なの!?どっちなの!!」


アイゼンはニヤリ。

「ふふ、読めたぞ。奴は敵のふりをして、俺たちを試している」


レイヴは天井の鉄球にぶつかって滑り、砂まみれになりながら、壁の暗号を指差す。


レイヴ「ほら、偶然だね!……偶然って便利だ」


アイゼンは苦笑。

「偶然じゃないな、これ」


広間を抜けると、敵幹部の一団が待ち構えていた。

金属の鎧に身を包み、鋭い目で襲いかかる。


アイゼン「なるほど、ここが本丸か」


死神レイヴは、彼らの前でわざと足を滑らせ、

仲間たちの視界を混乱させる。


死神レイヴ「あちゃー、アイゼンさん、踏んじゃった!?ごめんごめん、たまたま踏んだだけー」


幹部たちは動揺。

ルアーナはその隙に罠を解除し、リュカは仲間の後ろを守る。


アイゼンは冷静に動き、魔導の力で敵を翻弄。

「油断するな、奴らの目的は突破者の排除だ」


リュカは小声で言う。

「レイヴ…本当に味方だよね?」


アイゼンは苦笑い。

「ああ、奴の悪戯は仲間への試練ってわけさ」


扉の向こうに広がるのは、砂漠迷宮の中心、敵幹部たちが待つ大広間。

鉄の鎧に身を包んだ幹部たちは、三人を見て鋭く牙を剥いた。


幹部「さあ、侵入者よここで終わりだ!」


アイゼン「ふん、終わりだと思うのは早計だな」


アイゼンは杖を振り、魔力で床の砂を竜巻状に舞わせ、幹部たちの視界を遮る。

ルアーナは床に仕掛けられた罠を、手際よく解析して解除。火花が散り、鋭い刃が床から飛び出すのを阻止する。


リュカはその間に、素早く幹部の隙間をすり抜け、背後から翻弄。

華奢な体躯とは裏腹に、鋭い目で敵の攻撃パターンを見切る。


その時、影から現れた死神レイヴ。

わざとアイゼンに小さな攻撃を加え、三人の動揺を誘う。


レイヴ「おっとー、アイゼンさん踏んじゃった!?いやー偶然って怖いね!」


幹部たちは戸惑い、わずかに集中力を乱す。

アイゼンはすかさず杖を振り、砂の壁で敵の攻撃を防ぎながら、攻撃の隙を作る。


アイゼン「さて、ここが勝負所だ」


ルアーナは装置で遠隔操作し、床の隠し装置を暴走させる。

鋼鉄の扉が揺れ、火花と砂煙が混ざる中、リュカは仲間を守りながら突撃。


鉄球や刃が飛び交う戦場で、アイゼンの鋭い洞察とルアーナの科学知識が光り、

リュカの柔軟な動きが幹部の攻撃を交わす。


そしてレイヴがわざと壁にぶつかり、幹部の注意を引く一瞬の隙を生む。


レイヴ「ほらほら、偶然の産物ですよ〜」


その瞬間、アイゼンは全力で杖を振り、魔力の衝撃波で残りの幹部を吹き飛ばす。

ルアーナが最後の罠を解除し、リュカが守りながら最奥の扉を開く。


砂煙が晴れ、広間に静寂が訪れる。

三人は荒れた呼吸を整えながら、互いの顔を確認する。


リュカ「やっと…出口だね。レイヴがいなくても、僕たちなら――」


アイゼン「そうだ、信頼があれば突破できる。奴の悪戯も、今は役に立ったってわけだ」


遠くの高台から、砂煙の向こうにレイヴの影。

小さく手を振り、にやりと笑う。

砂漠の夜空が三人を包み、戦いの痕跡が絆をより強く刻む。


扉を開けると、そこは夜空に開けた広場。砂漠の風が冷たく吹く。


ルアーナ「ふぅ…やっと外に出た」戦いの末、3人は迷宮の最奥に到達。


リュカは見上げる。

「レイヴがいないと、少し寂しいな…」


アイゼンは肩をすくめる。

「だが、奴がいなくても突破できる。信頼があるからな」


砂漠の夜空に星が瞬き、風が仲間たちを包む。

笑いと戦いの痕跡が、絆をより強くした。


死神レイヴは遠くの高台で、仲間の無事を確認しながら、

小さく笑ったのだった。


レイヴ(さて、次はもっと面白くしてやろうかな……)


イヒヒヒヒ――

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