第2話 砂漠の罠、 笑う死神の影
灼熱の砂漠都市、サハラ・ヴァレー。
アイゼンハワード、ルアーナ、リュカは秘密通路を進む死神レイヴの笑い声はもう聞こえない。
砂の静寂に、ただ自分たちの足音と息遣いだけが響く。
灼熱の太陽が砂漠都市サハラ・ヴァレーを照らす中、アイゼンハワード、ルアーナ、リュカの三人は、敵組織の噂に導かれ秘密通路へ足を踏み入れた。
入り口は古びた倉庫の地下。ほとんど崩れかけの階段を降りると、湿った空気とともに砂の匂いが混じった冷気が漂う。
ルアーナ
「ここ…誰も通らなかったんじゃない?ほら、蜘蛛の巣も砂も積もってる」
リュカ
「静かだ…なんか、背筋が凍るな」
アイゼンハワード
「背筋が凍むのは気温のせいだ、たぶん…いや、俺たちの運が悪いだけかもしれん」
床に刻まれた奇妙な模様、壁の奥にひそむ小さな隙間、天井から吊るされた古代の鎖。秘密通路はまるで敵が知恵と悪戯心を詰め込んだ迷路のようだった。
三人が慎重に進むと、床に仕掛けられた圧力板が作動し、壁から突如、槍のような仕掛けが飛び出す。
アイゼンハワード
「くっ…まるでレイヴのいたずらに遭ったかのような展開だな」
ルアーナは即座に計算し、壁の装置を操作して槍の軌道を変える。
リュカは通路の暗い影を読み、身を低くして障害を避ける。
途中、天井から水のような液体が滴り落ち、リュカの肩を濡らす。
リュカ
「わ、これ…ヌルヌルしてる…レイヴのせいか?」
アイゼンハワード
「いや、これは敵の罠だ。…でも、ヌルヌルって懐かしいな、こいつがいた頃を思い出すぜ」
ルアーナの科学知識とリュカの直感、アイゼンの洞察力が合わさり、罠は一つずつ解除されていく。
しかし、秘密通路の最深部に差し掛かると、床全体が揺れ、暗号付きの扉が立ちはだかる。
そこには、まるで死神レイヴが挑発しているかのような文字が刻まれていた。
ルアーナ
「これは…敵の暗号ね。レイヴがいれば一瞬で解読したのに!」
リュカ
「…レイヴがいないと、俺たちだけじゃダメかもしれない…」
アイゼンハワード
「甘えるな、リュカ。裏切りか、策略かはまだわからん。俺たちは自分の頭で突破するんだ」
砂漠の風が通路に吹き込み、砂埃が舞う。光と影が交錯するその中で、三人の絆と信頼が試される。
ルアーナは暗号を解析し、リュカは通路の構造を読み取り、アイゼンの指示で巧みに扉を開く。
罠の連鎖を突破した先に広がるのは、静かな砂漠の光景。遠くに見える都市のシルエット、そして死神レイヴが去った痕跡だけ。
リュカ(小声で)
「やっぱり…レイヴがいないと寂しいな」
アイゼンハワード
「ま、奴はどこかで悪さをしてるさ。俺たちは俺たちで、この迷路を楽しむのが筋ってもんだ」
三人は砂漠の秘密通路を抜け、次の敵組織の陰謀へと足を踏み出す。
笑いと緊張、危険と知恵が交錯する冒険の幕開け
砂漠の罠は、まだ始まったばかりだった。




