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【ランキング12位達成】 累計58万PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
「アイゼンハワード最後の旅4 ―墓標(インシグニア)に眠る暗号」

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エピローグ 哀悼と再生 ― 仲間との絆

荒野の砂が夕陽に染まる中、アイゼンハワードたちはひと息ついていた。

戦いは終わった。敵幹部は倒れ、復讐は果たした。

だが、心の奥に残る虚しさは、まだ消えてはいなかった。


アイゼンハワードはゆっくりと腰を下ろし、砂に手をつく。

視線の先には、墓標に刻まれたあの奇妙な紋章インシグニア。

胸の奥に込み上げるのは、怒りではなく、深い悲しみ。


アイゼンハワード

「ローレム……やっと、終わったよな……」


小さく、しかし確かな声。

肩越しにルアーナがそっと手を置く。

「泣いていいんですよ、先生。無理しても仕方ない……」


リュカは墓標の隣に膝をつき、静かに頷く。

「僕たちがいる。先生は一人じゃない」


死神シグルは、砂埃を払いつつ、肩に片手を置く。

「終わったからって、悲しみが消えるわけじゃないんだぜ。

でも、泣くのも悪くないさ。イヒヒヒ……」


アイゼンハワードは拳を握りしめ、墓標に触れる。

心の中で、あの日の記憶と向き合う。


かつての友情。三角関係の淡い想い。

戦場で交わした言葉。笑い合った時間。

すべてが、今の自分を支えていたことを、初めて実感する。


アイゼンハワード

「……お前の無念は、俺たちが晴らした。

だが、俺の心はまだ整理できてない……」


ルアーナが微笑む。

「焦らなくていい。少しずつ、ですよ」


リュカも静かに呟く。

「これからは、僕たちの絆で歩いていける」


シグルは軽く肩を揺らして笑う。

「復讐は終わった。あとは……生きて笑うだけだ、イヒヒヒ」


アイゼンハワードは深く息を吸い込み、立ち上がる。

砂漠の風が髪を揺らす。

夕陽は沈み、夜が訪れる。

暗い影の中に、仲間たちの温もりだけが残った。


アイゼンハワード

「……よし。これからだ。

ローレム、ありがとう。俺たちは、進む」


砂上に4人の影が並ぶ。


アイゼンハワードは少し肩を落とすが、瞳の奥には決意の光。

ルアーナは肩の荷を下ろしたように微笑み、

リュカは静かに風を感じながら歩く。

死神シグルは後ろからふざけたように小さくイヒヒヒと笑う。


アイゼンハワード

「親友、そして恋のライバル……お前の想い、全部受け取った。

復讐は果たした。でも、ここで終わりじゃない。

これからも俺たちは、歩き続ける――お前の分も。」


ルアーナが軽く笑う。

「先生、次の目的地は……まだ決めないんですか?」


アイゼンハワード

「決める必要はない。風のままに行く。だが、必ず道は切り拓く」


リュカも小さく頷く。

「僕たちなら、どこへでも」


死神シグルは肩をすくめ、砂埃を振り払う。

「イヒヒヒ……どこまでもついて行くぜ。復讐の旅も、笑いも一緒だ」


夕陽が完全に沈む前、4人の影は砂漠の先へ消えていく。

荒野に広がる地平線と、静かに残るローレムの墓標を映す。


ナレーション

「友情、裏切り、そして復讐。すべてが終わったわけじゃない。

だが、胸に刻まれた想いは、アイゼンハワードの心で生き続ける。

次なる冒険は、誰にも予想できない

さあ、行こう。風のままに、どこまでも。」


風が砂を巻き上げ、影を揺らす。

笑い声と哀愁が混ざり合う中、物語は幕を閉じる。次なる旅路へ。



「アイゼンハワード最後の旅4 ―墓標インシグニアに眠る暗号」





ーTHE ENDー


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