第5話 鬼さっちゃん VS 心理学の鬼
ONI組の教室に、今日は見慣れぬ臨時講師が登場。
心理学の白澤先生、冷静沈着・論理派・統計マシーン。
白澤
「皆さんこんにちは。臨床心理学と行動分析の観点から、本日の授業を始めます」
教室の黒板にはズラリと、
攻撃性スコア(Aggression Index)
自己肯定感尺度(Self-Esteem Scale)
ストレス反応率(Stress Reactivity)
コーピング能力(Coping Mechanisms)
社会的適応指数(Social Adjustment Score)
が数値化されて表示される。
白澤
「レンジ君、あなたの攻撃性は平均より+2.7σ、抑制困難傾向あり」
レンジ
「え、俺たちはゲームキャラじゃねぇ!数字で測るなよ!」
さっちゃん(ツッコミ全開)
「おいおい、数字で心測れると思っとんのか!何、2.7σって!そんなんで心分かるわけねぇだろ!」
カケル
「僕のリスク行動指数も…」
さっちゃん
「何言うとんねん!リスク指数で人間測るとか、頭パンクすんぞ!」
アヤメ
「私の自己肯定感低すぎ…」
さっちゃん
「低い?高い?そんなもんどうでもええわ!お前の心の声聞けや!数字ばっか見て逃げんな!」
ガロ
「俺の筋肉指数は?」
さっちゃん
「筋肉関係ねぇ!数字ばっか追って自分の心置き去りにすんな!」
コトリ
「感情爆弾、計測できますか…?」
さっちゃん
「何、感情爆弾とか言うて!爆発する前に言葉でぶつけろや!」
さっちゃん、白澤のデータシートをバンッと叩き割る。
「いいか、みんな!心は数字で測れるもんちゃう!参考にはなるかもしれんけど、点数じゃ分からんやろ!俺たちの心は生き物や、ゲームやない!分かったか!」
レンジが小さく頷く。
「…数字じゃ俺たちのこと、何もわかんねぇな」
ONI組の空気は少し柔らかくなり、笑いと涙が入り混じった授業が幕を閉じた。
【教師陣】
■さっちゃん先生
450歳の魔界鬼教師。外見は小学生。
毒舌・高速ツッコミ・恋愛と再教育のプロ。
魔力入りの杖で暴走生徒を物理的に止める。
「最初から不良の子なんていない!」が口癖。
【ONI組(問題児クラス)】
■雷堂レンジ(らいどう・れんじ)
ONI組の実質ボス。喧嘩無敗。
だが家庭環境が複雑で、心は誰より脆い。
さっちゃんの言葉に一番揺さぶられるツンデレ主人公枠。
■黒羽アヤメ(くろば・あやめ)
SNS女王。毒舌ギャル。
だが実は自己肯定感が極端に低い。
さっちゃんに輪郭補正を暴かれた瞬間、人生が変わる。
■水城ミナト(みずき・みなと)
人気配信者。ONI組の盛り上げ役。
「炎上は伸びしろ」を信じる危ない子。
さっちゃんによって“本当の承認欲求問題”に向き合うことになる。
■羽柴カイ(はしば・かい)
無口で影の薄い少年。
だが天才的な絵の才能を持つ。
ONI組の黒幕的存在という噂もあるが…実は違う。
■蘭堂コトリ(らんどう・ことり)
不登校気味の大人しい女子。
教室の隅でぬいぐるみと会話するタイプ。
だが内側に“破壊級の感情爆弾”を抱える。
■獅子山ガロ(ししやま・がろ)
元暴走族。腕っぷし最強。
筋肉で問題を解決しようとする脳筋男子。
しかし涙もろく、実は一番優しい。
■星野ルカ(ほしの・るか)
天才ハッカー。授業中も学校のWi-Fiを乗っ取る常習犯。
だがコンプレックスの塊で、愛情に飢えている。
【学校側】
■校長 閻魔
ONI組を「教育の敗北」と捉えてきた人物。
しかしさっちゃんが来て価値観が揺らぐ。
■教頭・鬼原
真面目すぎて石化しそうな人物。
さっちゃんに毎回煽られ、血圧が上がる。
【その他】
■クラスメイトの父兄、地域の人々
ONI組を“問題児の集まり”として恐れている。
だが次第に、さっちゃんの姿を通して価値観が変わっていく。




