第2話 怒りの取扱説明書。爆発寸前ONI組と本音の授業
ONI組、地獄のクラス。
机は粉々、壁には落書き、床には何が落ちてるか分からない。
レンジが机を蹴り飛ばし、アヤメはスマホで生徒を監視、ミナトは動画配信中。
さっちゃん先生、教室に入るなり杖をひと振り。
さっちゃん
「えーっと、君たち、ここが学校だって知ってる?机は遊び道具じゃないわよ!」
レンジ、ちらっとさっちゃんを見る。
「……誰、この小っちゃいの?強そうじゃないな」
さっちゃん
「小学生に見える?450歳の魔界鬼教師よ!そしてツッコミで暴力も止められる!」
さっちゃんが教卓に杖を立てると、校庭に巨大な“心の温度計”が浮かび上がる。
針は0〜100まで、怒りを数字で可視化できる仕組みだ。
さっちゃん
「今日の授業は――“怒りを爆発させずに使う方法”!別名、アンガーマネジメントよ!」
アヤメが眉をひそめる。
「アンガーマネジメント……?意味わかんないんだけど」
さっちゃん
「意味わかんないならまず怒りの温度を見せなさい!心の温度計でね!」
心の温度計ワークショップ
レンジ、机を蹴りながら心の中の怒りを思い浮かべる。
針がビビビッと跳ね、120まで振り切れる。
さっちゃん
「はいはい、予想通り!君の怒りは“家庭環境ストレス+ツンデレ成分”で計測不能レベル!でも安心、ここで暴れなくていいの!」
アヤメの場合
アヤメ、SNSで支配欲を爆発させる妄想中。
温度計が火花を散らす。
さっちゃん、杖でパシン!
「ちょっと待て!火花散らすな!授業中に火事起こすな!」
アヤメ、顔を赤くして黙る。
ミナトの場合
ミナトはスマホで自分の怒りを動画化。
さっちゃん
「やめろ!それ怒りの正体じゃなくて炎上商法!温度計じゃなくてTwitterの温度計になってるわ!」
羽柴カイの場合
無言で描く天才少年。
針は静かに上がる。
さっちゃん
「静かに爆発するタイプね…でも絵で表現するのは正解!ただし、黒幕っぽい態度はやめなさい!」
蘭堂コトリの場合
ぬいぐるみに話しかけながら心の爆弾を抱える。
針が急上昇。
さっちゃん
「ぬいぐるみに相談してる場合じゃないわ!本音を見せなさい!」
コトリ、泣き笑い。
獅子山ガロの場合
腕っぷし最強。針が一気に振り切れる。
さっちゃん
「筋肉で怒りを解決するの禁止!涙もろいのはいいけど、授業中に破壊はやめろ!」
星野ルカの場合
Wi-Fiを乗っ取ろうとして針が激しく跳ねる。
さっちゃん
「ハッキングで怒りをぶつけるの禁止!愛情に飢えてるなら、ここで授業受けなさい!」
さっちゃん、杖をパシンと振る。
温度計の針は一気にゼロに戻る。
さっちゃん
「ほらね!怒りは爆発する前に安全に使えば力になるのよ!理解できた?」
レンジ、初めて笑う。
「……先生、ちょっと分かった気がするっす」
さっちゃん
「その調子!でも次はもっと面白くして、泣かせて笑わせるから覚悟して!」
ONI組、爆笑と感動が入り混じる中、少しだけ心の扉が開いた。
教室はまだ混沌としているけれど、確実に変わり始めたのだった。
【教師陣】
■さっちゃん先生
450歳の魔界鬼教師。外見は小学生。
毒舌・高速ツッコミ・恋愛と再教育のプロ。
魔力入りの杖で暴走生徒を物理的に止める。
「最初から不良の子なんていない!」が口癖。
【ONI組(問題児クラス)】
■雷堂レンジ(らいどう・れんじ)
ONI組の実質ボス。喧嘩無敗。
だが家庭環境が複雑で、心は誰より脆い。
さっちゃんの言葉に一番揺さぶられるツンデレ主人公枠。
■黒羽アヤメ(くろば・あやめ)
SNS女王。毒舌ギャル。
だが実は自己肯定感が極端に低い。
さっちゃんに輪郭補正を暴かれた瞬間、人生が変わる。
■水城ミナト(みずき・みなと)
人気配信者。ONI組の盛り上げ役。
「炎上は伸びしろ」を信じる危ない子。
さっちゃんによって“本当の承認欲求問題”に向き合うことになる。
■羽柴カイ(はしば・かい)
無口で影の薄い少年。
だが天才的な絵の才能を持つ。
ONI組の黒幕的存在という噂もあるが…実は違う。
■蘭堂コトリ(らんどう・ことり)
不登校気味の大人しい女子。
教室の隅でぬいぐるみと会話するタイプ。
だが内側に“破壊級の感情爆弾”を抱える。
■獅子山ガロ(ししやま・がろ)
元暴走族。腕っぷし最強。
筋肉で問題を解決しようとする脳筋男子。
しかし涙もろく、実は一番優しい。
■星野ルカ(ほしの・るか)
天才ハッカー。授業中も学校のWi-Fiを乗っ取る常習犯。
だがコンプレックスの塊で、愛情に飢えている。
【学校側】
■校長 閻魔
ONI組を「教育の敗北」と捉えてきた人物。
しかしさっちゃんが来て価値観が揺らぐ。
■教頭・鬼原
真面目すぎて石化しそうな人物。
さっちゃんに毎回煽られ、血圧が上がる。
【その他】
■クラスメイトの父兄、地域の人々
ONI組を“問題児の集まり”として恐れている。
だが次第に、さっちゃんの姿を通して価値観が変わっていく。




