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【ランキング12位達成】 累計57万8千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
「アイゼンハワード最後の旅3 ― 西の都市国家の陰謀」

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第十話 闇の将軍ガルスの逆襲―動き出す影の兵団

東の首都ヴァルト、地下深く。


鋼鉄の扉、警備兵、レーザー網

完璧すぎる牢獄。


だが、その静寂を破るのは……


カチリ。


アイゼンハワードが老人らしい咳払いをしながら、

レーザー網の真ん中に立つ。


「いやぁ……最近の牢屋は眩しいねぇ。

まぶしくて眠れやしない」


ルアーナがツッコむ。


「おじいちゃん、それレーザー!

死ぬから動かないで!」


死神シグルはレーザーに顔を近づけてニヤァ。

「イヒヒヒ……頬に当たると蒸発しちゃうヤツだよ……」

「絶対触るな!!!」(全員)


リュカはホログラム端末を操作して淡々と呟く。


「……よし、ガルス将軍の防衛システムを90秒だけバカにしたよ。

行くなら“今だけ”。」


チャララ~~ン♪(ル〇ンのBGM感)


牢獄の扉が、音もなく開いた。


そこにいたのは――

痩せ細り、それでも毅然とした瞳を持つ 皇女リディア。


彼女は驚きのあまり声を失う。


「あなたたち……誰……?」


アイゼンハワードが柔らかく微笑む。

「いや、ただの老人仲間さ。

たまたま世界を救いに来ただけのね」


ルアーナ

「たまたまじゃないよ!?」


リディアは震える手で胸元を押さえた。


「“真実の書”……

あれを奪われたら、戦争は永遠に止まらない……」


リュカが頷く。

「大丈夫。あれはガルスの金庫にある。すぐ取り返す。」


シグルが皇女を覗き込み、顔を近づけ……

ニタァ……。


「イヒヒヒ……

ほぉぉ……あなた、“死んでない”ね。

ギリギリのところで踏ん張ってる生の匂いがする」


皇女

「っ!? な、なに、この子……?」


ルアーナ(悲鳴)、アイゼンハワード(ため息)。


騒音とともに、地下牢の警報が鳴り響く。


ドォォン!!


壁が破壊され、黒い軍服の兵士たちが雪崩のように突入。

マントを翻し、将軍ガルスが現れた。


「……貴様らか。

“世界を乱す三匹と一体”と言えば聞いていたが……」


アイゼンハワード:

「三匹って誰だい。老人を混ぜるんじゃないよ」


ルアーナ:

「そこ!? そこツッコむの!?」


ガルスは皇女を睨みつける。


「皇女リディア――

お前は国家の裏切り者だ。

死んでもらう。」


死神が一歩前へ。


「イヒ……ヒヒ……

“死んでもらう”?

その台詞、ボクの前で言うとね……」


彼は口角をゆっくり上げた。


「と~~ってもムカつくんだよ」


空気が一瞬凍りつく。


リュカ

「ルアーナ、天井の排煙ダクトを開けて!」


ルアーナ

「よっしゃ!ピッキング3秒!」


アイゼンハワード:

「皇女殿下、失礼。おじいちゃんの背中に乗りなされ。」


皇女

「えっ!? あ、あのっ、そんな――」


死神

「はいはい、お姫様抱っこでもしてあげようかぁイヒヒヒ」


「絶対イヤ!!!」(皇女)


爆発音が響き、影兵団が迫る。


全員

「走れぇぇぇぇぇ!!!」


ダクトへ飛び込む瞬間

ガルスが怒りに満ちた声で叫んだ。


「追え!!逃すな!!

あの老人だけは絶対に殺せ!!!」


アイゼンハワード

「わし!? なんでわし!?」


リュカ

「おじいちゃん、東西の国家データ全部抜いたからだよ」


アイゼンハワード

「そんな覚えは……あるわ」


(あるんかい!)


全員が息を切らしながら逃げる中

狭いダクトで、皇女と死神が向かい合う。


リディア

「どうして……

私は、生き延びてしまったの……?」


死神は静かに微笑んだ。


「イヒ……

生きる理由なんて誰にもわからないよ。

でもね……“死にたくなかった人”ほど、

魂は必死に世界にしがみつくんだ」


皇女

「……私、怖かった。

でも、戦争を止めたかった」


シグル:

「うん。

だからあなたはまだ“死んでない”。

誰かのために動ける魂は……

死神の目には、とても眩しいのさ」


皇女が涙を落とす。


アイゼンハワードはそっと肩を支えて言った。


「泣いていいんだよ、皇女殿下。

人質なんかじゃない。

君は、戦争を止めようとした“勇気そのもの”だ。」


地下から脱出した瞬間。


東の城壁が開き、

黒い影兵団が一斉に行進を開始する。


ガルスの狂気に満ちた声が響く。


「反逆者どもを捕らえろォ!!!

皇女も、老人も、死神も、全員だ!!

“影兵団作戦”を開始する!!!」


リュカ

「……まずい、始まっちゃった」


ルアーナ

「これって……全面戦争……?」


アイゼンハワード

「まだ終わらんよ。

むしろここからが本番だ。」


死神シグルは笑う。


「イヒヒヒ……

戦争の魂、全部まとめて裁いてあげるよ……?」


夜の首都ヴァルトが、赤い警報灯で染まっていく。


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