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【ランキング12位達成】 累計55万PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『カズヤと魔族のおっさんの事件簿:蛾と蝶 美人姉妹殺人事件』

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第一話 影のボーイフレンドたち

挿絵(By みてみん)

雨上がりの薄暗い路地を、カズヤとアル叔父ことアイゼンハワードは静かに進む。


高層タワーで発覚した麗花の死。マスコミが喧騒を巻き起こす中、二人は事件の裏側へと歩を進めていた。

「……やはり、男たちの存在が鍵だな」


カズヤは低く呟く。

「多くの男性と交際をしていたみたいですね。」


アル叔父は薄く笑った。

「人間の心理は、欲と嫉妬で動く。特に、女の魅力が絡むと、その危うさは倍増する。」

彼の目は冷徹で、都市の街灯が反射する瞳に光を宿らせていた。


証言収集


二人は次々と男たちのアパートや職場を訪ね、麗花と美羽に利用され、金や時間を搾り取られた男たちに接触する。


三原 聡は、商社のデスクで肩を落とす。

「…俺はただ、信じていただけなんです。麗花さんも、美羽さんも、笑顔で“これで大丈夫”って…。」

手元には送金履歴のメモ。まるで自分の意思が消えたかのように金を渡していたことを吐露する。


黒川 颯は、IT企業の会議室で神経質に指を動かす。

「僕は彼女たちのSNS運営まで手伝わされて…お金も、時間も…。でも、やめられなかったんです。」

嫉妬と劣等感に絡まれた微妙な表情が、まるで罠に落ちた昆虫のように見えた。


朝比奈 透は、カフェの片隅で紙ナプキンにメモを取りながら語る。

「彼女たち、僕の情報まで利用して…でも拒めなかった。怖くて、逆らえなくて…」


蓮 京介は大学のラボで、眉をひそめる。

「僕も…金を貸してしまった。美羽さんの笑顔が忘れられなくて…」


一ノ瀬 大地は広告代理店のオフィスで、コーヒーを握りしめる。

「僕たちはみんな、姉妹に操られていた…気づいたときにはもう遅かった。」



男たちの証言の端々に、不可解な「第三の存在」の影がちらつく。


「でも…あの夜、見たこともない女がいたんです」


「彼女、…妙に冷静で、誰にも心を見せなかった」


アル叔父は静かに観察する。

「ほう…面白い。人は、見えている範囲でしか判断しない。しかし見えぬ影こそ、真の動機を握る。」


カズヤは眉をひそめる。

「つまり、もう一人…いや、次女が……?」


アル叔父は答えず、ただ薄く笑った。

「忍び寄る影は、いつも最後に牙をむくものだ。」


夜の街を背に、男たちの証言は断片として積み重なった。

欲望と嫉妬に翻弄された男たち彼らの影は、姉妹の計画の一部でしかなかった。

そして、誰も気づかぬところで、次女の冷たい瞳が次の一手を見据えている。


登場人物一覧


如月きさらぎ 麗花れいか:27歳/モデル・インフルエンサー(感電死)

如月きさらぎ 美羽みう:25歳/モデル・SNSインフルエンサー


姉妹に関わる男性たち

三原みはら さとし:30歳/会社員(商社勤務)

黒川くろかわ はやて:28歳/IT企業勤務

朝比奈あさひな とおる:26歳/フリーライター

れん 京介きょうすけ:24歳/大学生(経済学部)

一ノいちのせ 大地だいち:29歳/サラリーマン(広告代理店勤務)


警察・マスコミ関係者(名前付き)

佐伯さえき しょう:40歳/警視庁刑事

藤堂とうどう つばさ:35歳/警視庁刑事

高橋たかはし 梨花りか:33歳/テレビ局記者

村田むらた 悠人ゆうと:38歳/週刊誌記者


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