第6話 天界統一模試!鬼教師と奇跡の答案
模擬試験会場
天界時間 午前9時、試験開始の鐘が鳴り響く。
広大な天界学園、無数の白い机が並ぶ大講堂。
その一角、3年ONI組の机だけがなぜか黒煙を上げていた。
「お前らァ!今日が勝負の日よ!」
さっちゃん先生が教卓に拳を叩きつけると、机の上の天界チョークがビリビリと震える。
「昨日までのサボりも、いたずらも、今この瞬間に清算しなさい!」
「……先生、勉強って、根性なんですか?」
とウラト。
「違うわよ。魂よ!!!」教室が爆発したようにどよめく。
鬼暗記術、発動!
さっちゃん先生は自作の教材を配布。
その名も「地獄の九九」「涙の古文単語」「落雷英単語シャワー」。
「目を閉じなさい!耳で覚えるの!体で覚えるの!魂で書くのよ!」
生徒たちは半ばトランス状態で唱和する。
「ににんがし!サタンがしろー!アーメン!」
「いとをかしは、マジやばっ!」
試験監督が恐怖で震える中、3年ONI組だけは異様な集中力に包まれていた。
試験中――
ウラトは冷静に数式を追う。
「先生……あなたの言葉、嘘じゃなかった……」
善人ウラトの瞳が初めて燃える。
その隣では、偽善バイクが頭を抱えていた。
「くそっ!俺が本気出したら、天界の採点機ぶっ壊れんぞ!」
「うるさい!集中しろ!」リリスバイトが天使の筆を投げつける。
……そして奇跡が起きた。
偽善バイクの手が止まり、ゆっくりとペンを握り直す。
「……先生の言葉、ちょっとムカつくけど、胸にくるんだよな」
「バイク、やるじゃない!」
「バイクは走るだけじゃねぇ。考えるんだよ!」
試験結果発表――
1週間後、天界放送が鳴り響く。
「今年度天界統一模試、1位――天界学園3年ONI組!」
教室が爆発的歓声に包まれた。
「やった……やったぞ!!」
ウラトが泣き、バイクが空にウィリーし、さっちゃん先生は演算機を投げ捨てて号泣。
そして、天界校長GODがゆっくりと姿を現す。
「……さっちゃん先生。お前の地獄やり方は、天界のルールには合わぬ」
「でも、魂には響いたようだな」
静寂の中、絶こうちょうのGODはにやりと笑った。
「よかろう。次の試練を与える。――“地上研修”だ」
「え?地上って……まさか、人間界!?」
鬼教師さっちゃん、新たな戦場へ!!




