第5話 3年ONI組、本気出すわよ!鬼教師の逆襲
授業開始 ― 天界倫理Ⅱ
白い羽が舞う天界第二分校。
だが3年ONI組の教室は、今日も波乱の予感だった。
黒板に“努力・根性・地獄”とチョークで書くさっちゃん先生。
その背後で、偽善バイクがニヤリと笑う。
「先生ぇ、黒板の字、時代遅れっすよ。今どき“努力”とか“根性”とか、もう流行んねぇっすよ?」
生徒たちがクスクス笑う。
続けて、バイクが机の中からピンク色のラッパを取り出し
パラリラ パラリラ!!
プォォォーッ!!!!
教室にけたたましい音が響く。
さっちゃん先生の髪が一瞬で爆発ヘアに。
「……ふぅん。天界って、空気が澄んでるのね。音がよく通るわ。」
「あ、怒った?先生、もしかして――ビンタ再来っすか?」
ミカエル(小声で)「やめてぇぇ! 今度こそクビになりますぅ!」
さっちゃん先生、ゆっくりと黒板消しを持ち上げた。
ニコリと微笑む――その顔に、天界教師陣が震える。
「教育ってのは、“驚き”から始まるのよ。」
次の瞬間、
黒板消しが宙を舞い、天井に仕込まれた“天使羽センサー”に命中!
バサァァッ!
天井から粉雪のようなチョーク粉が一斉に降り注ぐ。
生徒たちは白まみれ、教室はカオス!
「目がぁぁ! 髪が真っ白にぃぃ!」
「天界の吹雪ぃぃ!!」
ミカエル「先生ぇぇぇ! 授業中に罠を仕掛けるのは規則違反ですぅ!」
さっちゃん「ルールなんて破って覚えるもんよ!」
全員が混乱する中、さっちゃん先生は腕を組み、宣言する。
「次の授業、“全国天使統一模試”の成績で勝負よ。
結果が最下位なら私はクビでいい。」
天界中に走るニュース
《速報:鬼教師、模試でクビ回避宣言!》
《ONI組、奇跡の1位を取らねば全員終了!?》
天界SNSが炎上する中、GOD校長はただ一言。
「ふむ……おもしろい。やってみるがよい。」
夜 ― 鬼勉強モード、始動!
教室の明かりが消える。
だが、窓から見えるのは……真っ赤なオーラ!
「地獄式・夜間集中学習、開講よ!!」
善人ウラトが立ち上がる。
「先生、俺……本気出す。絶対にクビになんてさせねぇ。」
その横で、偽善バイクが苦笑しながらノートを開く。
「……クソ。なんで俺まで勉強してんだよ。」
アイコ「ふふ、認めたんでしょ?先生のこと。」
リリスバイト演算計算、開始!
さっちゃん先生の目が光る。
「リリスバイト演算・起動。天界公式AIよ、地獄式暗記プログラム起動!」
教室の壁が変形し、チョーク文字が立体映像に変わる。
数式が天井を走り、英単語が光の羽となって舞う!
「“知識”を感じろ! 頭じゃなく、魂で覚えるのよ!」
ウラト「先生、これ……すげぇ!」
ミカエル「これ、教育じゃなくて修行ですぅぅ!!」
徹夜で勉強する3年ONI組。
誰もサボらない。笑いながら、時に喧嘩しながら。
だが、全員が同じ方向を見ていた。
黒板に書かれた言葉
『奇跡は努力の別名よ。』
いよいよ、天界全国天使統一模試が始まる。




