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完結【51万8千PV突破 】運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『3年ONI組 さっちゃん先生3 ―天使なのに悪魔のような生徒たち』

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第3話 光より速いビンタ ― 天界最速の制裁!

午前の天界教室、静かなる嵐の前触れ


天界第二分校・3年ONI組。

昨日の“鬼流指導”でさっちゃん先生にこっぴどく叱られた問題児たちは、

今日は一見おとなしくしている……が、その裏で、動き始めていた。


教室の後ろでは、リーダーの善人ウラトが静かに指示を出していた。

光のノートに魔法陣を描きながら、冷たい笑みを浮かべる。


「先生に反抗するのはもうやめだ。

でも……“無視”なら罪じゃない。天界ルール的には“いじめ”じゃないしな。」


その言葉に、偽善バイクと慈愛アイコがうなずく。


バイク「要は、あの鬼教師を孤立させりゃいいんすよね?」

アイコ「みんなで“沈黙の授業”をすれば、先生の方が音を上げる。」


生徒たちは一斉にスマイルを作りながら、無言の抵抗を開始。

チャイムが鳴っても、誰も声を出さない。

質問をしても、誰も答えない。

――まるでさっちゃん先生が存在しないかのように。


さっちゃん先生、静かに怒る。

(……あぁ、なるほどね。地獄より静かだわ)


さっちゃん先生は教卓の上で腕を組む。

その瞳の奥に、炎が宿る。


「“無視”ね。いじめの上級魔法。地獄でも流行ってたわよ。」


ミカエルが焦って近づく。


「さっちゃん先生、どうか落ち着いて!ここは天界、暴力も怒号も厳禁です!」

「暴力? 私は“教育的指導”しかしないわ。」


そう言って、黒板にチョークで書いた文字は――


『心を動かすのは、拳じゃなくて、魂。』


生徒たちがざわめく。

その瞬間、ウラトが立ち上がる。


「きれいごとばっかりだな。

先生ってのは、結局“上から命令する側”だろ?俺たちはもう操られねぇよ。」


さっちゃん先生は微笑み、ゆっくりウラトに歩み寄る。

まるで怒っていないように見える。だが、その足音に圧がある。


「ウラト。あんた、頭がいいわね。

けど、賢いフリして“怖いだけの子”でしょ?」


「……なに言ってんだよ。」


「“誰も信じない”ってのはね、裏切られるのが怖い証拠よ。

あんた、ほんとは優しい。みんなを守りたい。でも、怖い。だから壊す。」


その一言に、ウラトの表情がわずかに揺れた。

教室の空気が一変する。

慈愛アイコが小声でつぶやく。


「……やめてよ、そんな言い方。」


さっちゃん先生の気迫が爆発。

一瞬、空間が歪む。

天使たちの羽が風で舞い上がる。

次の瞬間!


バチィィン!!


光速を超えた“天界最速のビンタ”がウラトの頬に炸裂。

天界時計が一瞬止まり、光の鐘が逆回転する。


「いじめはよくて、体罰はダメ? そんなルール、知らないわ!」


ミカエル:「せ、先生ぇぇぇぇ!? 時空が歪んでますー!!」

さっちゃん:「教育ってのは、命懸けなのよ!」


ウラトは頬を押さえたまま、笑った。

「……いてぇ。親にも殴られたことないのに!!!

でも、なんか……初めて、ちゃんと本気の魂をぶつけられた気がする。」


教室にざわめきが走る。

偽善バイクが下を向き、慈愛アイコが涙をこぼす。


「……バカみたい。先生のこと、本気で見てなかった。」


その瞬間、天界校舎全体に光のアラートが鳴る。


《警告:教育法第777条違反 ― 物理的指導を検知!》


ミカエル「で、出たぁ! 天界教育法違反アラーム!!」


さっちゃん「うるさいわね! 鬼教師に法律は通じないの!」


さゃっちゃん先生は、体罰禁止アラームにより天界の教育審査会へと呼ばれた。

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