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【ランキング12位達成】 累計57万5千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
第九章 天空竜バハムートと竜騎士ガイア

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第二話 陽気なる召喚士

「誰だお前!」


飛空艇の格納庫に響き渡る声。

リスクが眉をひそめ、謎の男を指さした。


鮮やかなターバン、首元に揺れる魔法銅貨のネックレス、手には踊るような指先、異国の空気をまとったその男は、堂々と両手を広げて叫んだ。


挿絵(By みてみん)


「ワタシはユスフ=メルハバ!砂漠の魔道具師にして爆裂召喚士!今この瞬間から、あなた方の操縦士だッ!よろしくな、ワッハッハッハ!」


「……知らん!」

「え、勝手に入ってきたの!?」

「なんで指名されたの!?」


騒然とする中、エジソンソンが涼しい顔で現れた。


「彼こそが、かつて"月落としの誤爆"で砂漠都市を半壊させた伝説の召喚士にして、空間認識力A+の飛空艇マイスター。ま、操縦は超一流ってことだ。」


「あれは誤爆じゃなくて芸術だ。爆発は、魂の花火だからな!」


「なるほど。うるさいのは仕方ないとして、腕は確かってわけね。」

マーリンが呟く。



命名の議論は長く、激しく、そして混沌を極めた。


「ドラゴン・バースト・ヘヴン号!!」

「却下だユスフ!!」


「聖なる飛び魚グローリア号……」

「それは君の朝食だ、マリア。」


最終的に落ち着いたのが、リスクがひらめいた一案


『アストラ=バルムガンド』号

星を駆け、雷を裂く空の覇者!


「アストレリオンの格式と、バルムガンドの重厚さ……合わせてどうだ?」


アルベルトは腕を組んでうなずく。

「……なるほど、融合だな。」

エジソンソンも目を細め、

「やるじゃないか小僧!魔法と科学だけじゃなく、名も融合とは!」と満足げ。


ユスフは爆笑しながら、

「まあ爆裂は入らなかったけど、カッコいいから許す!」


マーリンは艶やかに微笑んで、

「悪くないわ……ふふ、これで天まで堕ちられるわね。」


「その言い方はやめなさい。」

シスターマリアが冷ややかにたしなめた。



爆裂気質とは裏腹に、操縦席についたユスフの手さばきは見事だった。


「重力制御、風圧調整、エンジンの魔導気流…よし、よし……イグニッションッッ!!」


魔導心臓が唸りを上げ、飛空艇《アストラ=バルムガンド》は静かに浮き上がる。


「……安定している。」

「意外と繊細な操作……本物ね。」


「当たり前だ!ワタシの操縦は、空のバクダン職人って呼ばれてるからな!」


いよいよ、その時が来た。

エンジンが鳴動し、甲板の魔法陣が光を放つ。

全員がブリッジに集結する。


「……本当に飛ぶのか、これ?」

「飛ぶとも!空を裂くぜ、この雷翼でな!!」

「風向き良し、気圧安定……問題なし。」


マリアは十字架を握り、

「主よ、どうかこの空の旅に、導きを……」


マーリンは高らかに笑い、

「じゃあ行きましょうか。私たちの空への物語の第二章へ」


「魔導飛行船アストラ=バルムガンド、発進!!」


雷鳴とともに、飛空艇が空へと浮上する。

雲を突き抜け、青空を裂き、魔導と科学の結晶が、世界にその姿を示す。


かくして、空の冒険が幕を開けた。


挿絵(By みてみん)


空へと浮上した魔導飛行船アストラ=バルムガンド

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