表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ランキング12位達成】 累計58万6千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
第八章 魔導の国と魔導生命体

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

116/1426

第12話 魔導エンジンと新たな旅路へ

魔塔融合生命体ルナアクシスの崩壊は、静寂とともに訪れた。


巨大な両腕が崩れ落ち、地面に突き刺さる。


続いて、膝が砕け、大地にめり込むように崩れ落ちる塔の巨人。


最後に、その禍々しい顔面――塔の中心部であった巨大な頭部が、垂直に倒れこみ、ドォオン!と土煙を上げて勇者アルベルトのすぐ目の前に落下した。


「ぎぁあああああああああッ!?お、お、おいぃぃ! もうちょっとでぺしゃんこだったぞ!?やりやがったな、リスクーーッ!!」


アルベルトが全身で怒鳴る中、辺りには凄まじい静寂が広がる。


「……勝った、のか?」


「うん……やった、よね?」と、マリアが小さく呟いた。


「ふむ。終わったわね」と、マーリンが汗をぬぐう。


俺たちは魔塔融合生命体ルナアクシスに勝利した。


その瞬間、四人の身体に、じんわりとした温もりが広がる。光が降り注ぎ、空中で粒子が踊り出す。


魔導生命体ルナアクシスを倒したことにより


一気にレベルが3も上がった。



《勇者アルベルトのレベルが上がった!》

《体力が200上がった!》

《力が100上がった!》

《防御が96上がった!》

《素早さが65上がった!》

《賢さが30上がった!》

《魔力が32上がった!》

《運が60上がった!》

《新しい魔法「タッタママネル」を覚えた!》


「……ん?タッタママネル?なんだこの魔法……“立ったまま寝る”だと!? 使い道、あるのか!?あるのかコレ!?」


「冒険で寝袋がない時に便利だよ!きっと!」

シスターマリアが笑いながらツッコむ。


《シスターマリアのレベルが上がった!》

《体力が75上がった!》

《魔力が80上がった!》

《素早さが24上がった!》

《賢さが90上がった!》


「わたし……まだ強くなれる。よかった……まだ、皆を守れる……!」


彼女の周囲に舞う光は、まるで祝福のように温かかった。


《リスクのレベルが上がった!》

《運が80上がった!》

《賢さが45上がった!》

《新しいスキル「バナナのたたき売り」を覚えた!》


「……なんだよこのスキル名。どういう戦術なんだこれ……」


《説明:テンションを上げ、敵のガードを下げる。ノリで防御無視ダメージを与える。》


「バカか!ふざけてんのかスキル枠ッ!」


「でもリスクさん、バナナのたたき売り似合ってるよ?」

シスターマリアが微笑む。


《黒魔術師マーリンのレベルが上がった!》

《魔力が120上がった!》

《賢さが70上がった!》

《運が15上がった!》

《新しい呪文「黒鏡の審判」を覚えた!》



「ちょっとマーリンさん!?その呪文、なんかやばそうだよ!?」

「……黙っていればその通り、話せば危険なこともある。私の魔法に言及するのは、三度までにしておくといい……」


リスクが小声で

「それが一度目なのか、すでに三度目なのかが分からないんだよな……」とボヤいた。




そして、リスクの手には、ついに――


挿絵(By みてみん)



魔導エンジンとなる「魔導心臓」が握られていた。


ツタのような魔導血脈がまだ微かに脈打っている。だが、もはやそれは、闇を動かす力ではない。


「これで……これでエジソンソンさんに飛空艇を作ってもらえる……!」


リスクは、深く息を吐いた。


アルベルトが肩を組んできて、笑う。


「よーしよしよしッ!次は空だな、空の旅だ!リスク、約束だぞ!今度こそ、オレが主役だ!」


「はいはい。わかったよ、勇者様」


マリアも手を合わせ、祈るように言った。


「でも、次の目的地……“竜の谷”って。聞いたことある。とても危険な場所……」


「それでも行くしかない。魔導心臓を飛空艇にして、空を越えなきゃ――あの、災厄の源に近づけない」


リスクは、魔導心臓をしっかりと背負った。


マーリンが静かに呟いた。


「……次は竜の谷と呼ばれる天空竜のいるところよ。」


そして、リスクたちは「竜の谷」へ向けて新たな旅を始める。


【第八部 完】

挿絵(By みてみん)


ルナの塔の前で魔導心臓を掲げるリスク達

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ