第6話 悲しき?仲間との再開
ルナの塔の最上層──。
重々しい漆黒の石畳が敷き詰められた広間には、魔導灯が淡く、そして不気味に揺れていた。
その中心、玉座にふんぞり返る男、闇の司祭カザール。
その傍らに立つは、艶やかな黒衣に身を包んだ魔女、魅惑の黒魔術師マーリン。
「マーリン!わしの言うことを聞け!おぬしの魔力あっての勝利ぞ!」
マーリン(小声で)
「……逆恨みじゃなくて、こいつ本当に嫌いだわ。顔も声も全部無理。」
「ほら、奴らが来たぞ!階段の響きが近い……!わが憎しみを、ついにぶつける時!」
マーリン(立ち上がり、腰をパンと叩きながら)
「やれやれ……これが最後よ、カザール。もしまた私の背中を利用するつもりなら、その時は、あなたを燃やすわ。本当に灰になるまで。」
「ふははは!好きに言うがいい!お前もどうせ勝つためにこの塔に残ったのだろう!?勇者どもよ、来いッ!」
ギイ……と扉が開く。
入ってきたのは、勇者アルベルト、シスターマリア、そして村人リスク。
「……ついに来たか、塔の最上層。ここが最後の戦いの場か。」
「気を引き締めていきましょう。あの二人、魔力が桁違いです……特にマーリンさんは」
「ていうかあの人、。戦艦10隻沈めた伝説の“厄災のマーリン”でしょ?」
カザールが不気味な笑みを浮かべて言った。
「勇者たち知らなかったと思うが……マーリンは実は魔族なのじゃ」
「いや、ですよね?魔族ですよね。」
「両目もよく紅く光ってたし、魔族っていうかラスボス感すごかったし。」
「みんなもなんとなく、気づいていたのね」
「えっ、気づいてたの!?」
カザールはビックリした。
マーリン(ブチギレ)
「ちょっと!皆さん!感動的な再会に水を差さないでくださいませんこと!?なんなら氷漬けにしますわよっ!?」
「よしその粋じゃマーリン!作戦通りやれよ!勇者たちを闇に葬るのだッ!」
マーリン(渋々)
「はいはい。やればいいんでしょ、やれば……もう、あーめんどくさ。」
「これが……最後の戦いか……!」
「え、最後なの?このあとスイーツ食べに行こうと思ってたのに……」
「リスクさん、命のやりとりをしている最中に何を……!」
マーリン(ため息)
「本当にこのパーティー、緊張感ないのね……まぁ、嫌いじゃないけど。」
「マーリン!?余計な情など捨てろ!お前はわしとともに──」
「はいはい、わかってますわよ。じぃじぃは、うるさいわねもう……」
塔は、静寂を破って再びその狂気と魔力を蠢かせ始めた。
かつての仲間が敵として向き合う、運命の一戦。
ルナの塔、最上層
死闘が、ついに始まる!!




