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【45万2千PV突破 ! 全話 完結】運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『カズヤと魔族のおっさんの事件簿:正義と悪 若手俳優殺人事件』
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序章 急ぎ戦隊オクレンジャー参上

日本の街には、誰もが憧れるヒーローがいる。子どもたちに人気のスーパー戦隊その名は 急ぎ戦隊オクレンジャー。

彼らは、平和を脅かす悪の軍団 ノロイ と日夜戦い、街と人々を守る使命を背負っていた。


だが、この世界の戦いはテレビの向こうだけのものではない。オクレンジャーは、現実の撮影所でスーツアクターたちの肉体と技によって命を吹き込まれているのだ。


レッド、イエロー、グリーン、ピンク――それぞれのスーツアクターは、派手なアクションの裏で、孤独や確執、競争、時には恋愛の問題に悩みながら、ヒーローを演じ続ける。


紅一点のピンクは、美しい容姿と華麗なアクションで注目されるが、隊内では影の立場に立たされることも多い。


レッドは子どもたちに絶大な人気を誇るが、気配りのない性格ゆえにイエローとグリーンとの間に微妙な亀裂が生じていた。


イエローとグリーンは、互いに自分のスキルや見せ場を争い、影で隊内の確執を深めていた。


一方、遠く離れた地下基地では、悪の軍団ノロイが次なる侵略を企てていた。

「すべてを遅くする……時間の流れを支配し、オクレンジャーを無力化するのだ」

将軍の冷たい声が響き、街全体の時間の感覚が徐々に歪み始めていた。



スーツアクターたちの現場


撮影所では、今日もスーツアクターたちが命を削るようにアクションシーンの練習をしていた。

「はい、カット! 次はレッドのジャンプから!」

助監督の掛け声に合わせ、レッド役のスーツアクターが走り出す――はずだった。


しかし、外の空気は異様に重く、動きは思うように遅くなる。

グリーンは足元の床を蹴る力が伝わらず、ジャンプが半分しか跳べない。

ピンクは決めポーズを取ろうとしても、腕が重く、遅れて動く。

「……遅い……!」


街の時間が狂うかのように、悪の軍団ノロイの力が撮影現場にも影響を及ぼしていたのだ。

レッド役のスーツアクターは焦りながらも叫ぶ。

「みんな、諦めるな! 俺たちはオクレンジャーだ!」


それでも、撮影班や美術班は動きの遅さに混乱する。助監督は慌てて叫ぶ。

「危ない! セットから離れろ!」


レッド、イエロー、グリーン、ピンク――スーツアクターたちは遅い動きの中で必死に戦う。

その姿は、テレビの画面越しには見えない、リアルな戦いそのものだった。


そして、遠くの街角には、次の襲撃を計画するノロイ軍団の黒い影が忍び寄っていた。

「次はもっと、時間を奪うのだ……」


こうして、遅くなる街と撮影現場

スーツアクターたちは、アクションシーンの撮影に臨んでいた。



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