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学校…先っちょだけだぜ 2話


 さーて。俺のお家が見えてきたぞ。仁王立ちしているお父様もセットだ!出迎えなんて嬉しい!パパに抱き着いちゃおう!なーんてな、ははっ、現実は残酷なもんだな。100俺が悪いんだけどその待ち方はこわすぎるよん。

 いったん自転車置き場に退避して作戦会議、タイムタイム。

 

 うむ、言い訳するか素直に謝罪するかの二択だな。だが、もう警察から話を聞いただろうから言い訳が通じるかどうかは怪しいところ、無難に謝るか。

 

 はぁ、行くか。魔王に挑む勇者の気持ちだよ。


 「だだいま。ごめんね迷惑かけちゃって。まさかこの時間に警察に見つかるとは、ここら辺は治安が良く無いのかな?」


謝罪だけで良いのに変なこと付け足しちゃったな。悪い癖だ。だけどそんな自分が大好きだぜ。


 「迷惑だとは思ってない、心配してたんだ。というかいつ抜け出したんだ?気づかないで寝てたから、警察から電話が来た時には驚いて目が完全に覚めたわ」


「すんません」

 

 だから仁王立ちしてたんかな。


 「次はないからな。もうこんな時間に外出するな。お母さんは許してたのか?」


「うん、全く気にしてなったよ」


そういうところガバガバだったからな母さん。世の中じゃやっぱりダメなんだな。気をつけとこう。というか、あんまり怒ってないな、まぁ、2回目はヤバそうだから気をつけよう。少し前にゴキブリの玩具で驚かせた時も一回目は注意、2回目はブチ切れだったからなぁ。


 「はぁ、俺はもう寝るぞ。明日の準備しっかりしとけよ。あと早く寝ろ」


 大きなため息だなぁ、価値観の違いってやつか。こういうのは擦り合わせていくもんだから時間がかかりそうだ。地道にやってくか。


 俺が今住んでいる家は一軒家だ。住宅街に馴染むように建ってあり、庭はクレヨンしんちゃんの家ぐらいある。


 リビングは広い。据え置き機器があるし、俺好みのゲームが多い。楽しめそう。

 キッチンも広い。あの父親は料理がめっぽう美味く、昔はシェフ見習いをしていたそうだ。知らない調味料ばっかりで、全部を幅広く使っている。朝食と晩飯が毎日楽しみだ。

 トイレは普通。綺麗好きらしく滅茶苦茶綺麗。ここまで綺麗だと気をつけてトイレをするから常時綺麗だ。綺麗綺麗。

 お風呂も普通だな。驚いたことといえば、ジェットのブクブクが出ること。最初はテンション上がったが今じゃめんどくさくて使ってない。

 倉庫。普通の倉庫。特に変わった点はない。

 2階に上がると正面に部屋がある。左手に少し廊下がありその先に2つ部屋がある。 

 

 階段から正面の部屋を開けるとぉ〜。なんともまぁ、女の子らしい感じの部屋が出てくるではありませんか〜。この部屋に住んでるのは妹の小町ちゃん!今は友達の家に遊びに行ってるんだ!






 嘘。残念ながらそんな都合の良いことはない。

 美少女で可愛くて俺に惚れてる妹なんていないのさ。この家は男二人暮らしだよ、悲しいもんだね。ここは今空き部屋だ。


 さて廊下突き当たり左が俺の部屋。右が父親の部屋だ。

 俺の部屋は普通って感じ。強いて言うならメダカを飼ってる。

 あっ!昨日今日餌あげてねーや。忘れてた忘れてた。いつもこんな感じだけど結構熱心に飼っている。紫色のメダカを飼っていて、色が濃ゆいものを交配させ、今では相当濃ゆい紫色をしていてカッコいい。趣味といえば趣味になりそうだが人にはあまり言えないな。高校生だぜ。



 風呂に入って、明日の準備して、今ベットの中だ。

 明日がとても楽しみだが、もう四時、3時間後には起きなきゃいけないのがとても嫌だが仕方ない。俺は最低7時間は寝たい派なのだが。

 面白い友達できるかなぁ。どんな子がいるかなぁ。

 そんなことを考えているうちに意識はまどろみの中に溶けていった。


 「起きろ!おーきーろー!もう動き出さないと遅刻するぞ!」


美少女に起こされてるやつはし滅んだら良いのに。と思いながら起きた。清々しい朝だ。カーテンは起きても開けたくない人間なので、電気の灯りで気分を切り替える。


 「朝飯は何〜?」


「大輝の大好きなスクランブルエッグだよ、なんでこれが好きなんだ?そうそう聞かないぞスクランブルエッグが好きなんて」


「このどろっとしててだけど少し形がある感じが好き。あと味付けも少ししょっぱい感じが最高」


これを食べるだけで1日頑張れるのだが、父親はあまり好きではないらしく時々しか出ないんだよな。今度作り方教えてもらおう。


 準備万端、さあ行くか。


 「学校の場所わかるか」


キッチンの方から聞こえる。

 

 「この前軽く見に行ったから分かる。心配なーい」


そんなに遠くないのがうれしい。小学校も中学校も10分くらいで着いていたから高校が15分と聞いた時遠いなと思ったが、高校から自転車で登校出来ることを忘れていた。


 「行ってきます!」

 最初の登校はやはり元気よくに限るぜ。

 

「いってらっしゃい、後から行く」


 保護者と登校時間が違うってことは入学式前に一度クラスに行くのかな。何組に成るかな、どんな人がクラスメイトかな。ワクワクが止まらないな。事故は怖いから気をつけて行こう。


 ここが自転車置き場かな、みんな置いてるし。

 俺が三年間通うことになるのは、煌響高校という。面白いほど読みづらいし書きずらい高校名である。

一年生とプレートに書いてあることから、ここにいる人はみんな同級生になるのか。面白そうなやつはいない……か…な…?


 

 なっ、なんだあいつ!!金髪だとぉ!染めてる感じもしないし。地毛かよ!嘘だろ、見ただけでキャラが立つ奴なんて現実にいるのかよ。あーー。今ちらっと見えたけど碧眼じゃん。どことどこの遺伝子でそうなるんだよ。写真でもしっかり見たことねーよ。てか、「へきがん」って読むんだ初めて知ったよ!

 

 ふぅー。落ち着け、冷静にだ。あり得てしまったまたことには変わりない。ただあり得るか?本当に名前以外普通の学校だぞ?おい。

 同じ方向にクラス発表のボードもあるし、少しストーキングしてみるか。他に世界観おかしい奴が寄ってくるかもしれん。気分はチョウチンアンコウだ。


 「ねぇ、そこの君。クラス発表の場所わかる?俺が教えてあげようか?」


定番のチャラ男キタァ!てか、自転車置き場からクラス発表のボードまで人で流れできてんだから当然わかるだろ!もうちょい頭使えよ!

 

 「分かるので大丈夫です。失礼します」


金髪碧眼少女はその手のことに慣れているのか、短く切り上げた。


 「ちょ、ちょっと待てよ!」


お前は慣れてねーのかよ。言葉の引き出しもっと増やしとけよ。


 「痛っ、いたい!話してください!」


おお!ありがちなパターン!よく見るよく見る〜。こっから主人公が助けに来るんだろ。

 ………あれ?俺行くの?いやフツーに怖いんだけど。助けられるビジョンが全く見えないけど!どうすんのよこれ!助けられないパターン少し気になってきちゃったよ!どうなんの!


 「おい、痛がってるだろ。離せよ」


ん?


 「い、いたたたたたたっ、やっ、やめてクレェ」


なんかイケメン出てきたな。ヤンキーくんの腕を掴んで握力で攻撃してやがる!

 てか、イケメン白髪なんだが。おかしいだろ。ストレスか?これで目が赤かったら喰種だろ。金木くんか?あ、黒か。やばいなパニックだわ。

 ヤンキーくん逃げたな。彼の染めたような金髪はとても目に優しかったのに。オアシスだったのに。


 あ、ヤンキーくんのこと考えてたらもうあの二人仲良くなって歩いてんな。てか、本当に主人公みたいな奴いたな。あれ?じゃあ俺何?落ち着いて考えないとゲシュタルト崩壊しそうだわ。

 

 

 歩きながら考えた結果、この世界の主役は白髪主役くんで、この物語の主人公は俺ということで落ち着いた。あれ?世界的に見たら俺モブなんか?悲しいなぁ。まぁ、いいや。

 つまり今世界は彼中心の普通から見たら変わった世界が展開しているわけだ。だからあんな金髪美少女がいたのか。最高にヤバいな。だけどその分個性が強い奴らも多く存在してるはずだよな!楽しみが増えた。俺はついてるな♪


 さて、クラス分けだが、俺は4組だった。この学校は4組までだから入学式への入場は最後だな。さっきの白髪主役くんと同じクラスになれれば、カオスを身近で楽しめるわけだし、おんなじクラスにならないかな。名前を知らないから分からないが、四組までいけば結局分かるし急いで向かうか。


 わぁーお。驚いた。

 ドアを開けたら圧巻の一言だ。なんで4分の3くらい髪の色がカラフルなんだよ。チャリ置き場で一人しか見つけられなかった俺はタイミング悪すぎかよ。こりゃ白髪主役くんいるだろ。

 

 居た。窓側の後ろ端。鉄板かよ。同じ中学校からのやつかな?と仲良く喋ってるな。ちなみにその子は黒髪。そんな近距離で関わってるのに黒髪だなんてある意味キャラたってんよ!

 

 それより俺の席は何処かな〜。黒板に貼ってある紙を確認すると

廊下側の後ろ端。対極かよ。だけど彼さ、主役っぽいけど無難なんだよねー。髪以外。彼とは別に仲良くならなくていいや。


 「なあ君」


自分の席に座ると隣のやつが話しかけてきた。因みに彼の髪は少数派の黒だ、安心する。

 

 「なに?どうした?」


「愛についてどう思う?」


初っ端から飛ばしてくるなーこいつ。普通最初は自己紹介とかじゃない?

 けどね……君みたいなの待ってたぜ!まずはジャブだ!出方を伺おう。


 「逆に君は愛ってなんだと思う?」


「愛とは!俺が!夢野 栞ちゃんに向けている感情だ!」


隣の席の奴の名前より、そいつの好きな子の名前を先に覚えちゃったよ。あるのかよこんなこと。あり得ちゃったよ。こいつに秘めたる思いって概念なさそうだよ。


 「栞ちゃんの何処が好きなんだ?」


「顔!体!それと優しさ!」


優しさが最後に出てくるんかい。色々とひどいぞこいつ。と言うかそれは愛じゃなくて性欲では?さっきからツッコミしかして無いな。こんなんばっかかこのクラス。最高かよ。


 「因みにどの子だよ」


そいつが指差した先にはギャルがいた。


 「夢野 栞って名前からは想像つかないくらいキャピキャピしてんじゃねーか!」

 

 「そのギャップが良いんだろう!最高だろう!」


「名前のギャップには別に萌えねーよ!」


レベルの高い変態だった。多分もう取り返しのつかないところまで拗らせてやがる。居るのかな、世の中には名前のギャップで興奮する奴。居ないよな。こいつ以外居てほしくないな。


 「話したことあるのか?このクラス今日初結成だぞ?」


 「いや、話したことはない。だから相談したのだ」


「その相談の切り出しで『愛についてどう思う』は間違いなく言葉選び間違えてんぞ。で?何を相談したいんだ?」


 何処が目標なのか分からなければアドバイスも出来ないしな。


 「どうすれば彼女とヤレるだろうか」


「やっぱ性欲じゃねーーーか!!」


こんなのが後40人近く居るなら、このクラスは俺にとって最高だな。白髪主役くんさまさまだ。感謝するぜ。




 


 

 

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