Code_Y-T introduction
Introduction – sapiens
時は第一人類北歴2007年。
人類の始祖、primo hominemは、アルテミス(現在の月面)上にテルース勢力側とアポロン星勢力側に分かれて生活していた。
テルースは灼熱の岩、アポロンは壮大なる伝説の星という二つ名がある。
基本的にテルース勢力は貧しく、アポロン勢力は財産に富んでいた。
そのせいでテルース勢力の人々は2000年近くどこへいってもアポロン勢力からの差別を受けていた。
それでもテルース勢力の人々が挫けなかったのは、第3人類西暦2025年から来た第3人類の何者かが置いていったデータボックスがあったからだ。
そのデータボックスに記載されていた、
「✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎に✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎だろう。しかし、いずれテルースは大地の七割が青き水に満たされる生命の星として生れ変わる。そのときは、テルースがアポロンの力を借りて回ることになる。そのときのためにもテルース勢力はアポロン勢力と✳︎✳︎✳︎✳︎。」
という記録を支えに今まで生きて来たのだ。
今、テルース勢力の人々はこの手紙を神の導として崇め、解析に全力を注いでいる。
そんな中、一人の少年が生まれた。
彼の名はY・T。
ユウタにはある能力が先天的に備わっていた。
それは、人が血のにじむような努力の結果、まれに身につける「パッションブースター(PSBR)」だった。
PSBRは、自分が心からしたいと思い、努力した者の達成感や努力から来る充実感が、その者の感情キャパシティー係数を超えたときに発動する一人一人異なる能力だ。
本来ならば、赤ん坊なんかがPSBRをもっているということはあり得ない。
この能力を彼が手に入れたのは、転生前の世界で大変な努力を行ったからだと科学者は推測した。
もっとも皆が驚くのはそこではなく、彼の能力だ。
彼はさらに、
「亡き者やまだいない能力者の生まれた場所周辺に入るとその人のPSBRを借用出来る。」という力も持っていた。
この前代未聞の能力に、科学者はかなりの興味を示した。
科学者はYを確保しようとして、親の抵抗を押し切ってYに近づくが、それよりも早くYは無意識に科学者を吹き飛ばしたり痺れさせたりして自分の身を守っていた。
そんな日々がいくらか続いて、もう科学者に怯えることもなくなったある日、
事件は起こった。