戦況 2
「それは、名を上げることです。」
「名を上げる?」
「誰かアングラカードを持ってる人はいませんか?」
「あぁ、俺が持ってるぜ!」
勝利がカードを見せる。
「それが地下の人間の情報を
載せてるってことは知ってますか?
ええっと…」
「勝利だ。闘的勝利。ヤコブって奴の息子だ。」
「ヤコブ…ヤコブ…。聞いたことありますね。」
「マジか!」
我宇珠は懐からタブレットのような物を出す。
「あ、載ってましたね。星18のヤコブですか!」
「え?星は7つだぜ…」
勝利は自分の持っていた
アングラカードを取り出す。
それを、我宇珠に見せる。
「あぁ、これは古い型です。」
「古い型?」
「あぁ、古いものだね。
例えば、この中で習得所に
行ったことがある者はいるか?」
「一応、俺とノビルとヤイバ、
それに、トムと花だな…」
次郎が受け答えする。
「君たちの付き添いとして私も同行したろ…」
「そ…そーでしたね…」
ボーンが口を挟む。
「何年で職を見つけた?」
「全員1年だよな?」
「あぁ。」
「では君たちはずっと1年か?」
「は?」
「私が言っているのは、
君たちがすぐ職を見つけなければ、
ずっと1年生だったのか?と、言うことだよ。」
「てことは?」
「情報は変化する。ってことだ。
そのカードは昔のヤコブ。
今のヤコブは強くなってる。ってことなんだよ。」
「変化…?」
「じゃあ…親父は…」
「絶賛、地下で活動中だ。」
勝利の顔が明るくなる。
「俺も頑張って名を挙げなきゃな!」
「それより、会いに行ったらどうだ?」
「それは無理ですね。」
ボーンが口をはさむ。
「なんで!」
「地下には、さらに地下がある。」
「どういうこと?」
「地下社会とは本当の地下でない。
あなたたちが思っている地上は、
地球全体で見ると九階だ。」
「地球の上に超デッケェ建物が
九階建てで建てられてんだろ?」
「なんでヤイバが知ってんだ?」
「聞いた話だ。」
「誰から?」
「知り合い。」
「だろうな…」