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軍散の乱 10
時は少し戻り、別の闘い。
モウとマンドゥの闘いだ。
「はい、解除。」
モウに身体の自由が戻る。
「っつたく、茶番を…」
「上手くできてましたよ!」
モウは自分の剣で斬りかかる。
柄には膨らんだ部分がある。
「危ないですねぇ…」
マンドゥは後ろに跳んでよけた。
「素手相手に刀ですか?」
「意識があんだろ!」
「それはあなたもでしょう。」
また剣を振る。
マンドゥは簡単にかわしてみせた。
「卑怯はそこまで好まんから先に言っておくぞ、
この剣は俺が使うことによって
俺の意識と相乗効果を起こす!」
「相乗効果?」
「こいつは誰にも見せてない。
さぁ、お前ならどうする?何を“制限”するんだ?」
「それは後々でいいでしょう。」
モウは隙をついて、マンドゥの顎元に剣を付ける。
「斬られた後でもか?」
「あなた、善いことをしましたね…
密かにパワーを貯めるなど…」
「卑怯ではない。
俺らの意識は相手に
バレないように使わねぇとダメだろ?」
「おやおや…」
2人は距離をとる。
「戯れは?」
「無論、ナシだ!」