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刀靭の変 10
(くそ!どうすれば…)
シュンカは瀬願を見ながら
頭の中でぐるぐる考えた。
だが、その目に後ろから刺される瀬願が見えた。
口から血が垂れる。
「あ…あんた…!なぜ!」
それはヤイバだった。
その表情から怒りは見えない。
むしろ、笑みすら浮かんでいた。
刀が身体から抜かれ、瀬願はすぐさま振り返るも、
それより早くヤイバが斬りつける。
「俺の剣術はまだ未熟だ。
磨くのに向上しなければならない。
怒りは皆無だがその向上心が俺に戦意を与えた。」
瀬願はそのまま気絶してその場に倒れてしまった。
「ったく、本当にイラつく奴だったぜ!」
「残りは私だけか。」
「あぁ、そうだな。」
シュンカは男を解放する。
(おい、気をつけろよ。
やつは抜け出そうとはしなかった。
つまり、無駄な体力は使ってねぇ)
「あぁ、わかった。」
男は適度な距離をとる。
「私の名はサモス。星の数は3つ。
意識はセイだ。」
「セイ?」
サモスはすぐ距離を縮め、
ヤイバに攻撃を仕掛ける。
短刀での攻撃だ。
ヤイバはとっさの攻撃だったが
なんとか止めることができた。
「そう“静”。静かという意味。
私の意識は“静”です。」