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異世界刑事  作者: project pain
シーズン1 異世界での捜査
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エピソード02 犯人はゴブリン ver,1.2

−−依頼人の家


2人はギルドマスターから預かった紙に書かれた地図を元に依頼人の家を探し出した。家はこの世界においては平均的な2階建ての家屋といった所だろうか。レンガ造りの壁、板で開閉可能な窓、ドアは厚めの木材。そして今、まさにそのドアの前に立っていた。


「ここで間違いないんだよな?」


「あぁ、ここらしい」


そう言って弘也(ひろや)はドアをノックした。中から足音が聞こえる。


「どなたですか?」


ドアが開き、中から女性が顔をのぞかせた。


「警視庁捜査一課の前川といいます」


「同じく春日です」


2人はいつも通り警察手帳を見せた。


「けーさつ?何ですか、それ?」


この世界に警察が出来たばかりで、まだ誰も知らない事を忘れていた。


「新しくできた職業(ジョブ)です。まぁ冒険者(アドベンチャー)の一種だと思ってください」


「あなたが依頼した件でお話を伺いに来ました」


「そうでしたか。中へどうぞ」


依頼人-レオナに言われるまま2人は家の中に入った。




2人は促されるままテーブルの前にある椅子に座った。


「まず、お父さんが殺された時の状況ですが、その時あなたは一緒だったんですか?」


「川のほとりを父と一緒に散歩しているところでした。私が花の妖精達に見とれている間にペンダントを盗られたんです。父が取り返そうとして揉み合っているうちにあんな事になって・・・」


レオナは涙ながらに答えた。


「ペンダントを盗った相手の特徴は覚えていますか?」


「えぇ、大体覚えています。背は小さいですが、頭に角が生えていました。素早い動きであっという間にペンダントを盗まれてしまったんです」


「頭に角ね・・・」


弘也(ひろや)は身体的特徴から何か思いついたらしい。


「ペンダントの方ですが、何か特徴はありますか?」


和司(かずし)はメモ帳を取りだしてスケッチを始めた。


「丸形の銀でできていて、表面にルビーが楕円形にはめてあります」


「こんな感じですか?」


出来上がったスケッチをレオナに見せてみる。


「はい、大体こんな感じです。」


「分かりました。後は我々の方で取り返してみせます」


「あれは私が父からもらった唯一の物なんです。どうかお願いします」


家の前でお辞儀するレオナをあとに2人は家を出た。


丸型の銀製で表面にルビーがはめてある、高価そうな物だ。誰でも奪いたくなるだろう。しかしその為に死人が出ているのは見過ごせない。




「おいヒロ。犯人の目星はついたのか?」


身体的特徴を聞いた時の弘也(ひろや)の反応を和司(かずし)は見逃さなかった。


「何となくだけどな。これはゴブリンかもしれない」


「お前がファンタジー系ゲーム好きで助かったよ。で、どんな奴だ?」


「聞いた通りだよ。背は小さくて頭に角。素早い動き。一匹なら簡単に倒せるが集団で来られると厄介な相手だ」


和司(かずし)は最初にこの街で見た光景を思い出していた。通りを普通の人間に混じって様々な特徴を持った亜人(デミヒューマノイド)が歩いていた。背は小さくて頭に角・・・はて。


「この街にそんな奴いなかったよな」


「そもそもモンスターだしな。協定自体加わる気はなかったんだろう。どこかに住処があるはずだ。そこを探せば犯人もペンダントも見つかるかもしれない」


住処を探す、この世界に来たばかりの2人にとっては途方もない話だった。いかんせん情報がなさすぎる。2人にとっては絶望的な話だった。


「情報がほしいな。どっかに情報に詳しい人間がいないかな?」


「情報か・・・酒場に行ってみるか」


弘也(ひろや)は足を止めて今来た道を引き返した。


「おいおい、何で酒場なんだよ?それに引き返すって何でだよ?」


「こういう時は酒場って相場が決まってるんだよ。ここに来る途中に酒場があっただろ。大人しく付いて来いって」


弘也(ひろや)に言われるまま和司(かずし)は後を付いて行った。




−−酒場・フォンストリート


2人が酒場についた頃には夕方になっていた。大通りに面した壁は上から半分が見える様になっている為、外からでも中の様子が伺える。酒場には様々な人でごった返していた。


「ここのマスターに話を聞いてみる。ちょっと待ってろ」


弘也(ひろや)はまるで慣れた動きで奥のカウンターに歩いていった。入り口で呆然とする和司(かずし)

酒場のマスター、アルバート・クランプトンと弘也(ひろや)が何やら話をしている内に1つの丸テーブルの方を指差していた。和司(かずし)弘也(ひろや)はそこで合流した。


「あんたらゴブリンの住処を探してるんだって?」


丸テーブルにいたのは足を投げ出して大きな弓を持った弓使い(アーチャー)だった。


「この近くにいそうな住処を探している。心当たりがあるなら教えてほしいんだが」


「まぁうちらの獲物じゃないから特別に教えてやるよ。一番近いのはここ。廃墟になっている建物の地下に奴らは潜んでいる」


街の周辺地図を広げて弓使い(アーチャー)は廃墟の場所を指差した。


「ありがとう。今度酒をおごらせてくれ」


「生きて帰ってきたらそうさせてもらうよ」


軽いやり取りを交わして2人は酒場を後にした。


「さて、犯人確保といきますか」


2人はゴブリンの住処の方を見ながら指をパキパキ鳴らした。

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