7 元魔王の本気
メイ視点
「す、すごっ・・・・・。か、かっこいい。」
ミクちゃんの目が輝いているのがわかる。
か、かっこいい・・・・・はっ!
「う、うん・・・まさか、これほどとは・・・。」
お兄ちゃんとモロクさんが言うだけは・・・と言うかそれ以上・・・。
「か、かっこ・・・いい・・・。」
あっ。まさかのマリーも思うレベルですか・・・。
「で、でも・・・苦戦していない?」
体の所々に擦り傷が見える。
「や、やばいんじゃあ・・・あたし、あのお兄さんに死んでほしくないな・・・。」
「うん・・・。」
「た、たすけ・・いく?」
「そ、そうだね。
助けてもらうだけなんて・・・。」
サクヤ視点
おい、おい・・・。
まだいやがんのかよ・・・ああ、しんどい。
カンッ、カンッ。
うん?
すぐ後ろで戦闘音・・・。
俺は後ろを振りむく。
3人が戦っている。
「か、加勢です。」
「守られる女じゃいられないってね!」
「あ・・り・・がとう。
わ、わた、わたしも・・が・がんば・・る。」
おい、おい・・・世話ねえな。
元魔王よう。
ガキの加勢・・・惨めだなぁ・・・なあおい。
「きゃ、きゃあ。」
「う、うぐっ。」
「い、痛。」
って、黄昏てる場合じゃねえな!
3人ともやべえじゃねえか・・・・。
ちっ、この体への負担がわからねえから使いたくなかったんだが・・・。
・・・・本気出すか・・・。
上を見上げる。
出来上がったか・・・丁度いいな。
ボン。
俺は体内の魔力のほとんどを吐き出す。
氷の剣をオークに投げつける。
「久々だ。
気合入れろよ、俺。」
両手を開き、上空を見上げる。
「行くぞ、おらぁ。」
来い。
龍は俺を飲み込む。
パクッ。
・・・・・・・。
久々だぜ、おい、気分いいなあ。
次の瞬間、俺は肩に軍服をかけていた。
「雷神の衣(仮)。」
フルじゃねえが、いけるか・・・。
いくしかねえだろうよ・・・。
次の瞬間、メイのもとに、
「おらぁ。」
オークの頭を蹴り飛ばし、
脳に電流を流す。
ドスン。
安全な場所に運ぶ。
「次!」
ミク、マリーと次々に助け、
同じ場所に運んでいく。
ガキどもの避難が終わってからの、
それからの俺の戦闘は激しさを増していく。
電撃のような速度の高速戦闘。
オークの脳を次々に破壊し、
雷の薙刀を生み出し、
次々に首を刎ねていく。
「おらぁぁぁぁっ。」
そして、最後のオークの首を刎ねる。
全てを収納にぶち込む。
「収納、対象オーク。」
オークは地面からの穴に落ちていく。
そして、雷神の衣を投げ捨てる。
すると、消え失せる。
そして・・・俺は虚脱感にとらわれる。
足から崩れ落ちる。
ふん、これくらいなら御の字か・・・。