5 元魔王と3人娘
さて、適当に依頼でも・・・「ねえ。」・・探すか・・・。
どれにしようかな?
「それならね。
オーク退治なんて・・・。」
さて、フォレストウルフか・・・。
「ねえ、オークなんて・・・。」
依頼証をはがし、さっきの男の受付の方に持っていく。
「ふ、ふぇ・・・おにいちゃん。」
「お~よしよし。」
「なんだ・・・こいつ、あんたの妹だったのか?
さっきから邪魔されていたんだが・・・。」
「す、すいません、こいつ組んでくれる相手居なくって・・・。
俺が冒険者引退したから・・・。」
男は膝のあたりの傷を見せる。
「ふ~ん、こりゃあ、引退したのが妥当だな・・・。」
まあ、俺としても初めての依頼だ。
勝手を知っている奴がいるのは悪いことじゃ・・・ないか・・・。
「仕方ない、わかった。
これも経験だろう・・・。
お前の受付としての能力に敬意を示し、ここにいる間は組んでやる。」
「ほ、本当ですか・・・ありがとうございます。
ほら、お前も。」
「あ、ありがとうございます・・・。」
こいつ・・・ガキにしては・・・。
「お前いいな。」
「えっ。」ボンッ。
「う、うちの妹に何かしてみろ、お前を・・・。」
「どうすんだよ。」
声のトーンが下がる。
「ひ、ひい・・・。」
「なあ、変な誤解すんなよ・・・見かけ以上にできた人間だって思ったんだよ。
さっき俺は割と面倒だったから、雑に扱ったんだ。
だが、こいつはそんな対応をした俺にしっかりと礼を言った。
心からだ・・・なかなかできんだろうよ。親か兄弟がしっかりしていないとな・・・。」
「あ、そういう・・・ありがとうございます。」
「ええ、そういう・・・・。」ガクリ。
こいつら反応が真逆だな・・・。
正直、おもしろい。
「で、オークだっけか?
どこ行くんだよ。
他にメンバーは?
基本4人パーティーって知り合いから聞いてんだけど・・・。」
「うん、それなら・・・。」
「ねえ、メイっち、どう?
勧誘できた?
あ、お兄さん、ありがとうございます。
紹介してもらって。」
ほう、犯人はこいつか・・・いいこと聞いた。
ビクッ。
「じゃ、じゃあ、話がまとまったようだから、俺はこれで。
ああ、依頼はしっかり受理しといたから。」
走り去っていく。
ちっ。逃げられたか・・・だが・・・ふふ、まあ報いは受けただろうよ。
ダイン視点
ひ、ひざが・・・。
このガキどもがなにかと聞いてくるので面倒になったので、
それぞれ自己紹介することになった。
「私はメイです。
12歳です。
前衛をやっています。
さっきの受付が兄です。
兄ともどもよろしくお願いします。」
本当にこいつ12歳か?
「どうもどうも、あたしはミクです。
弓を使ってます!
メイっちとは同い年・・・よろしく!」
元気いいな・・・。
「わ、わた、わたし、は・・・。」
大丈夫か?
「ああ、この子はマリーね。
男の人は苦手で・・・。
回復魔法が得意。
そして胸が大きい。」
「ちょ、ちょっと、ミクちゃん!?」
「私、同い年なのに・・・。」
全員微妙に年齢ずれてないか?
年相応なの、元気がいい子くらい・・・いや、あの子はどこか本当は大人な気がする・・・。
それと・・・なんで男の俺を・・・。
・・・・ああ、攻撃魔法できる奴がいなかったから・・・
「じゃあ、お兄さんも。」
「ああ、俺はサクヤ。
基本は魔法がメインだが、
近接戦もできる。
年は・・・15か6だと思う。」
正直わからん。
こいつはどれくらいの年齢なんだよ・・・童顔すぎんだよ・・・。
「へえ、思ったより年上、
てっきり同じくらいかと・・・。」
「ミクちゃん!?」
「ああ、いいよ、いいよ、別に。
そういうの気にしないから。」
「へえ、お兄さん、大っ人!」
まあ、元200は超えていたからな・・・。
「ま、まあ、何はともあれ依頼に向かいましょうよ。」
「まあ、時間もないしな。」